鹿児島県日置市の吹上浜で、市川修一さんと増元るみ子さんが北朝鮮に拉致されてから47年となる12日、現場近くでは拉致被害者家族や高校生たちが情報提供を呼びかけました。

市川修一さんの兄・市川健一さん
「(拉致から)47年になりました。この事件を忘れないでください」

47年前の1978年8月12日、夕日を見に訪れた日置市の吹上浜で、市川修一さんと増元るみ子さんが北朝鮮に拉致されました。

12日は、現場近くで市川修一さんの兄・市川健一さんと妻・龍子さんが、警察官ら約80人と共に通りかかった車の運転手にチラシを手渡し、情報提供を呼びかけました。

市川修一さんの兄・市川健一さん
「今年の夏も『ただいま』という声を聞けなかったのがすごく残念。政府は本気になってほしい。ただそれだけ。会いたい」

川内高校2年の羽島奈穂さん。

羽島さんは2024年、拉致に関する全国の作文コンクールで共に入賞した高校生3人とともに、8月23日に県庁で勉強会を予定しています。

川内高校・2年 羽島奈穂さん
「勉強会を通して一人でも多くの人に拉致問題の現実を伝えて、絶対に風化してはいけないと思ってほしい」

1983年から始まった情報提供の呼びかけは、これまでほとんどが関係者のみで、コロナ禍では市川さん自身が参加できないこともありました。

しかし、12日は勉強会を企画する高校生たちや友人の中高生9人も活動に参加しました。

勉強会を企画する 甲南高校・1年 田村源太郎さん
「受け取ってくれるのかなと不安だったが友達と協力したらうまくいった。これを通してもっと多くの人に拉致問題について知ってもらって忘れてほしくない」

勉強会を企画する 鹿児島情報高校・3年 渕脇詩さん
「海って平和なイメージが自分の中で大きいので、拉致が起きたと考えると悲しい。知らないから関りをもたないのではなくて、自分から積極的にこういう取り組みに参加することが大事」

轟木康陽記者
「修一さんが海の向こうで帰国を待ち続けてからきょうで47年です。中高生だけでなく、県民一人一人が問題意識を持ち、拉致問題に思いをはせることが修一さんの帰国へつながるのかもしれません」

羽島さんたちが企画する拉致問題の勉強会は8月23日、県庁18階のかごゆいテラスで開かれます。

鹿児島テレビ
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