学歴詐称問題をめぐり、伊東市議会の百条委員会から再度求められていた“卒業証書”とされる資料の提出を拒否した田久保眞紀 市長が8月8日夕方に自身のSNSを更新し、同月13日に開かれる同委員会について「出頭を前提に前向きに検討しております」と記しました。
伊東市の田久保眞紀 市長は市の広報誌に「東洋大学法学部卒業」と記載しながらも実際には除籍だったことがわかっていて、市議会では辞職を勧告すると共に事務手続きについて調べるため百条委員会を設置し、調査が行われています。
委員会は田久保市長に対し、一部の職員や議員に見せた“卒業証書”とされる資料の提出を求めましたが、憲法で保障された自己に不利益な供述を強要されない権利を盾に拒否したほか、出頭要請についても「回答が事実上不可能な内容を含むものであり、不適切な請求である」として応じていません。
これに対し委員会側は8月6日、いずれも正当な理由とは認められないとして、再度、出頭を求めると同時に“卒業証書”とされる資料の提出を請求しています。
こうした中、田久保市長は提出期限として定められた8月8日に市議会の中島弘道 議長などと面会し、「先に提出した回答書で述べた見解を維持します。自己負罪拒否特権は、一定の場合には、証拠物の提出を拒むことができる権利を内包するものであると考えます」などと記載した“回答書”を手渡し請求を拒否しました。
百条委員会は特に必要があると認められる場合には関係者の出頭や証言、記録の提出を請求することができ、正当な理由なく拒んだ時には6カ月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金を科されるなるなど刑事罰が規定されていて、再びの提出拒否を受けて中島議長は百条委員会として田久保市長を刑事告発するとともに市議会として不信任決議案を提出する運びとなるとの見通しを示しました。
一方、田久保市長は8月13日に開かれる百条委員会に出席するよう求められていて、この点について同月8日夕方に自身のSNSを更新し、「今回は出頭を前提に前向きに検討しております」と記しています。
その上で「私の知人と称する人物が出頭し、事実とは異なる百条委員会での証言を行ったことも含め、公文書扱いになっている2枚目の文書(私の友人で卒業生と称する人物が作成したとされる)に出てくる『同級生で友人』に、本物の『同級生で友人』が存在していない点なども、慎重に考慮していくべきと考えます」と主張しました。