8日午前5時、大雨特別警報が出された鹿児島・霧島市。
ヘッドライトが水に浸かりながら、川のような道路を走行する車。
車が走行すると、増水した水が商店街に波のように押し寄せていました。
ひざまで水に浸かって歩く男性の姿も見られました。
午前5時ごろ、霧島市の中心市街地では道路が川のようになり、自動販売機とみられるものも流されていました。
停車していた車内の人に話を聞くと「(Q.車が動かなくなった?)動かなくなっちゃいましたね。(Q.助けを呼んでいる?)助けはまだ呼んでないです。そこまで行けたら進めそうですけどね」と話しました。
霧島市の市街地は、流れ込んだ濁流で一面茶色い水で覆われていました。
住民は「いわゆるバケツをひっくり返したような。寝てても目が覚める感じだった」「朝5時前ぐらいにテレビつけたら、ずっと『避難してください、避難してください』って言ってたもんだから。外を見たら結構周りが水浸しになっててすごかった」と話しました。
霧島市内で午前8時に住民が撮影した映像があります。
最も増水していた時は大人の腰の高さまで水位が上昇し、アパートの1階では床上10cmくらいまで浸水したということです。
さらに市内では土砂崩れが発生。
民家や企業の敷地に土砂が流れ込み、木や土砂で道路が完全にふさがれました。
住民は「まさか一晩明けてみたらこういう感じですからね。夜中の雨ですからね」と話しました。
土砂崩れは姶良市でも。
住宅などが裏山の土砂に押し流されました。
住宅には4人が暮らしていましたが、このうち30代の女性と連絡が取れていません。
他に女性2人が病院に搬送されましたが、いずれも意識はあり、命に別条はないということです。
現場は大量の土砂が流れ込み、捜索は難航しています。
午前6時半ごろの姶良市の映像に映っていたのは、冠水した道路を走る車。
増水でヘッドライトが見えません。
農業用資材と思われるものが道路一面に散乱していました。
濁流は畑にも流れ込み、農業用ハウスの骨組みが半分まで水没していました。
増水した川の周辺で住民を訪ねると「(水の跡が)これだもん、この通り」と話し、壁には濁流が押し寄せた跡がはっきりと残されていました。
床上浸水で畳が全部浮いてしまったという住宅。
家の中にはまだ泥水が残っていました。
住民は「朝4時だったかな、母がトイレに起きてなにげに道路を見ようと思って窓を開けてみたら「え!水がっ!」となって、たたき起こされて。「水がもう来てる」と言って、玄関から勝手口から水が入ってきて、10分もしないうちに畳がプカーッて浮き始めた」と話します。
あっという間に押し寄せてきたという濁流。
住民の話によりますと、川を越えてあふれだした濁流により、腰を超える高さまで浸水したということです。
霧島市や姶良市では、床上浸水や床下浸水の被害が複数発生しているほか、いくつかの集落が孤立状態になっているとの情報も寄せられていて確認が進められています。
鹿児島県内では、24時間の降水量がすでに500mmを超えています。
線状降水帯が午前1時7分と午前4時47分に2回発生。
活発な雨雲が鹿児島を中心に次々と流れ込み、ライン状となって同じような場所にかかり続けました。
この大雨の影響で、JRの在来線の多くが始発から運転見合わせに。
九州では再び活発な雨雲がかかる見込みです。
8日朝の霧島市では、高橋川からあふれ出た濁流が住宅街に流れ込み、車は半分以上浸水していました。
住宅街に流れ込んだ濁流が大きな渦となっていた場所も。
住民は「上流が土砂などでせき止まっている。あふれた水が田や脇に流れ出ている」と話しました。
霧島市では、これまでの24時間降水量が500mmを超えています。
これは平年8月のひと月分の2倍近くで、観測史上1位の大雨となりました。
鹿児島・姶良市に向かう道は渋滞に。
姶良市でも道路が冠水し、地下駐車場に水が入りプールのようになっています。
増水した川では護岸が大きく削られ、車が川に落ちています。
橋のたもとの護岸が大きく崩れ落ち、白いガードレールも水の中へ。
河口に近い場所でも護岸が崩れ、車1台は完全に川に落ち、もう1台は片側のタイヤの下がなくなっていました。
他にも、崩れ落ちてこそいないものの、大きくえぐられている護岸もあります。
霧島市と姶良市では土砂崩れが発生。
姶良市では住宅が裏山の土砂に押し流されました。
住宅には4人が暮らし、このうち30代の女性と連絡が取れていないということです。
9日から最大9連休となるお盆休みを前に、空の便は鹿児島を発着する便を中心に大雨の影響が出ています。
これまでに全日空で4便、日本航空で44便が欠航となっていて、合わせて3500人以上に影響が出ているということです。
9日午後から10日にかけて、雨雲は次第に北上し、3連休は各地で大雨となる可能性があります。