学歴詐称問題をめぐり、伊東市議会の百条委員会から職員や議員の一部に見せた“卒業証書”とされる資料の提出を求められていた田久保眞紀 市長ですが、委員会からの請求を再び拒否しました。

8月8日午後3時45分過ぎ、議長室を訪れた田久保眞紀 市長は中島弘道 議長に対して求められていた”卒業証書”とされる資料ではなく”回答書”の入った封筒を手渡しました。

回答書には「提出を拒否いたします」と記されています。

以下、回答書の全文です。

記録提出請求に対する回答書

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。さて、伊議第47号(令和7年8月6日付)としてご請求のありました記録の提出につきまして、下記の通り回答いたします。

1.提出の拒否について

ご請求のありました「秘書広報課長が確認した市長の卒業証書とされている書類」につきましては、その提出を拒否いたします。

2.拒否の理由について

先に提出した令和7年7月18日付「記録提出請求に対する回答書」で述べた見解を維持します。

なお、伊議第47号によれば、記録の提出を拒む正当な理由がないことについて議会側の誤主張が記載されていました。そこで、本書面をもって、若干の補充意見を述べます。

1「公職選挙法違反との直接的な関係性があるとは直ちには認められない」というご見解について

公職選挙法違反(虚偽事実の公表罪)の成否を判定するためには、多角的な視点での検討が必要であるところ、主観的構成要件(卒業の事実についての認識)に関わる重要な証拠であり、まさに直接的な関係性があるものと思料いたします。

2「単に刑事訴追のおそれがあると述べるだけでは、自己の不利益とつながる理由の説明が不十分である」というご見解について

一般的に、自己負罪拒否特権を行使する際には、その理由の概略を述べ、疎明すればよいと解されております。罪についての具体的かつ詳細な内容を述べさせることは、そもそも自己負罪拒否特権の趣旨に反しており、認められるものではありません。

3「憲法第38条第1項に規定される自己負罪拒否特権については、証拠物の提出を拒むことができる権利とは解されていない」というご見解について

自己負罪拒否特権は、一定の場合には、証拠物の提出を拒むことができる権利を内容するものであると考えます。すなわち、当該物を提出することで、供述を拒む権利が実質的に侵害される場合であり、本件はそれに該当します。

4「代理人弁護士の守秘義務や押収拒絶権を理由に提出することが不可能と主張することは、記録提出の請求対象者自体を曲解している」というご見解について

私は現在、信任関係に基づいて弁護士に証拠物を寄託し保管させています。現状において、かかる委託関係を解除する意思はありません。そのため、弁護士は職務上の義務として、証拠物を提出することができません。

ご理解いただけますと幸いです。

敬具

テレビ静岡
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