島根県松江市内の遺跡で、旧石器時代、石器を製作した跡が見つかりました。
石器や石材が出土したのは約3万年前の地層で、石器の製作年代が特定できた遺跡は島根県内で3か所目だということです。
旧石器時代に石器を製作した跡が見つかったのは、松江市大庭町の団原II遺跡です。
県の埋蔵文化財調査センターが、国道432号線のバイパス建設に伴って2025年5月から行っている発掘調査で発見しました。
調査センターによると、地表から約1メートル下の旧石器時代の地層から、長さ2センチから6センチほどの「ナイフ形石器」5点と松江市南部でとれた「玉髄」と呼ばれる石の破片約140点が出土し、地層との関係を分析した結果、製作された年代が約3万年前と特定できたということです。
島根県内で見つかっている旧石器時代の遺跡96か所のうち、石器の製作年代が特定できたのは、これが3例目です。
また、出土した石の中には、山陽側から持ち込まれたと考えられる安山岩の石材も見つかり、旧石器時代の人々が広い範囲を移動していたことも推測できるということです。
遺跡の周辺には、ほかにも旧石器時代の遺跡があり、調査センターは今後、ほかの遺跡の調査や当時の人の活動を知る手がかりにもなるとしています。