宮崎県沖の日向灘を震源とする地震で南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されて8月8日で1年です。いつ起こるか分からない地震に備え、いま一度、対策を見直します。備えの基本を押さえて防災力アップを目指す「備えのツボ」です。
2024年8月8日。宮崎県沖の日向灘を震源とした地震が発生し、宮崎県南部では最大震度6弱を観測。香川県にも緊急地震速報が発表されました。この地震の影響で、気象庁は初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。
あれから1年。2025年1月には、南海トラフ地震が30年以内に発生する確率が「80%程度」に引き上げられました。
いつ起こってもおかしくない大地震。専門家に備えのポイントを聞きました。
(OKAYAMAお片づけチームmomo 安藤雅子さん)
「ポイントは0次防災。(災害時)家にいるとは限らない。通勤途中や、学校や職場にいる時に(災害から)自分の身を守るための備え」
避難所へ移動する際に持ち出すリュックなど災害が発生してから必要となる備えを「1次防災」と呼ぶのに対し、「0次防災」は災害が起きる前に日常から取り組む備えです。安藤さんは、0次防災グッズをバッグに入れて持ち歩いています。
(森下花音アナウンサー)
「中身を見せてほしいのですが」
バッグからは、水やモバイルバッテリー、簡易トイレやビニール袋など13個のアイテムが出てきました。さらに、場合に応じてコンパクトなポーチにまとめるのもおすすめです。
Q:どれを優先的に?
(安藤雅子さん)
「モバイルバッテリーと連絡先のメモと薬が入っているケース。よく100円ショップで売っているカードケースに、常備薬を種類ごとに入れている。家族の写真と連絡先を入れている。家族の写真もそうだが、災害があった時に自分の心を支えてくれる物でもあってほしい」
7月30日に発生したロシア・カムチャツカ半島の地震では、岡山県にも津波注意報が発表され避難指示が出されました。このように、揺れが伴わずに津波への避難が必要になる場合もあります。
(安藤雅子さん)
「今回は、津波警報・注意報が出て、いち早く逃げてくださいというアナウンスがあった。自分の家に帰って避難リュックを持って逃げるというのが難しい場合もある。その時に、今持っている物でしのげるように、普段から(グッズを)持ち歩くというのは大きなメリット」
「大事なのは“何を持っていたらお守り代わりになるか”というところ。日常の「ちょっとあったら助かるな」という物を持ち歩くことが防災にもつながる」
「災害の時ためだけのグッズではなく、日常から役に立つ物が0次なのですね」
そこで、押さえてほしい備えのツボはこちら。
「日頃の暮らしの延長線上で0次防災を」
普段から役に立つものを無理なく持ち歩くことが大きな備えとなります。