岩手県大槌町は、東日本大震災の津波で町長や職員40人が犠牲となった旧役場庁舎の跡地について、伝承のための石碑の建立を求めていた遺族などの有志に対し、認める方針を8月4日に伝えました。
4日は、遺族と職員の有志の会が大槌町役場を訪れ、平野公三町長から石碑についての回答書を受け取りました。
有志の会では当初、津波で職員ら40人が犠牲となった旧役場庁舎跡地に、慰霊碑の建立を要望していましたが、町が「跡地は伝承の場である」として認めなかったことから、その後、伝承を目的とする石碑の設置を要望していました。
町では4日、犠牲者の名前や所属した課ごとの人数を刻まないことなどを条件に、石碑の建立を認める方針を伝えました。
遺族有志の会 小笠原人志代表
「何で人数を入れれば慰霊碑になるのか。遺族の多くがまだ疑問に思っている。そこを堂々巡りしていると、結果として伝承碑も建てることができなくなる。そうすれば、私としては了承するしかない」
有志の会では近く条件を受け入れる考えを町に伝える方針です。