5日に開幕する夏の甲子園に高知中央高校が出場します。高知大会決勝で151キロをマークした2年生・堅田投手をはじめ、話題性は十分!しかし、1年生が急きょ入ってこない事態に見舞われるなど、紆余曲折がありました。
7月26日の高知大会決勝で明徳を破り、2年ぶり2回目の夏の甲子園出場を決めた高知中央高校。高知市大津にある学校に野球部のグラウンドが併設されています。
部員は3年生が18人、2年生が22人の合計40人で、1年生は1人もいません。実は、前の監督が香川の高校へ行くことになり、中央野球部に入る予定だった中学3年生18人も全員その高校に入学したのです。
高知中央高校 高山大和 主将:
「びっくりしたというのが一番。ずっと夢見た甲子園を目指すことは変わりがないので、もう一回みんなで頑張ろうとなった」
監督として新たに就任したのが山野司監督(57)でした。
高知中央高校 山野司 監督:
「知り合いの方から、高知中央の監督がいないんでどうかってお話を聞いて、3月下旬にはこちらに来てました。私は一生懸命やることだけなので、何も深く考えずに選手と一緒に頑張ろうという気持ちで就任させていただきました」
山野監督は大阪出身。高校時代は名門・PL学園の野球部でレギュラーとして春のセンバツに出場しています。あの清原選手・桑田投手の一学年下で、高校時代は清原選手の世話係として洗濯なども担当していたそうです。
そんな山野監督の就任により、中央高校のユニホームは以前の赤のストライプからPL学園をほうふつとさせるデザインに新調されました。
高知中央高校 山野司 監督:
「知り合いの方にPL仕様のユニホームでどうだと(言われて)変えました。PLのことも思い出していただいたらうれしい」
就任して4カ月での甲子園出場、“こじゃんと”すごくないですか?
高知中央高校 山野司 監督:
「4カ月というのは全然意識してなかったが、考えてみたら4カ月かということで、選手が本当によく頑張ってくれたのでそのおかげ」
そもそも今の2・3年生は、2024年の秋・2025年の春と高知大会で準優勝した実力派。強力投手陣を中心とした守りからリズムを生み出す野球をさらに強化してきました。
迎えた夏の高知大会、準決勝・決勝ともにノーエラー、2試合連続の逆転勝利で夏の甲子園出場を決めました。そして決勝戦は高知中央を一躍話題のチームにする試合となりました。エースに代わり急きょ先発した2年生・堅田投手が150キロ台を連発するピッチングで王者・明徳義塾から完投勝利をあげたのです。
堅田投手:
「今だに明徳に勝ったっていう現実というか、うれしさが収まりきってない状態。自分が自信を持っている球で明徳打線を抑えられたことがものすごくうれしい」
堅田投手、これまでのストレートの最速記録は143キロでしたが、明徳との決勝戦では151キロを計測しました。
堅田投手:
「夏の大会に向けて球速アップトレーニングや下半身強化のトレーニングでやってきたので(球速を)大幅に更新したのは自分でも納得してるし満足してる」
圧巻だったのは2対2で迎えた8回表。フォアボールを与え、1アウト満塁の大ピンチ。ここで堅田投手、明徳の代打に対し三振を取ります。なおも2アウト満塁、続く打者はセンターフライに抑え、無失点で切り抜けます。
チームを夏の甲子園に導き、シンデレラボーイとなった堅田投手。中学時代に所属していた奈良県のチームの監督に話を聞きました。
堅田投手の中学時代の恩師・湯佐勝紀さん:
Q.中学時代はどんなピッチャー?
「(体が)がっちりしてたので、まっすぐの威力と武器はスライダー。中学の時から非常にいいスライダーを持っていた」
湯佐さんが一番成長を感じたというのが、堅田投手の内面でした。
湯佐勝紀さん:
「余裕のないピッチングをたくさん見てきたので、中学の時とは違って周りに声をかけられていることや、自分さえよかったらということではないのは見受けられた。めっちゃ楽しい今、という感じで、決勝の舞台を楽しんでいるなと」
中学時代の恩師も認める堅田投手の成長曲線は、甲子園でもまだまだ伸びていくはずです。
堅田投手:
「甲子園でも自分の持ち味であるまっすぐで押していって、全国の強豪校をまっすぐで抑えたい。皆さんから歓声を沸き上げられるようなピッチングをするので応援よろしくお願いします」
2年ぶりの夏の大舞台でどんな戦いを見せてくれるのか!
高知中央野球部:
「甲子園こじゃんと頑張るぞ!」
3日の組み合わせ抽選会で、高知中央の初戦は8月7日に滋賀の綾羽高校と対戦することが決まりました。中央の山野監督は「対戦相手は初出場だが、滋賀県の強豪校を倒しているのでかなり実力のあるチーム。普段通り接戦に持ち込み、粘り強く戦う。なんとか食らいついて挑んでくる」とコメントしています。