宮城県名取市にある県立がんセンターは、8月4日、会見を開き、おととし、誤って予定量の5倍の抗がん剤を処方するミスが発生し、患者が死亡に至ったと謝罪しました。
県立がんセンターによりますと、おととし7月、骨髄がんの一種・「真性多血症」と診断された高齢の患者に対し、抗がん剤・「ヒドロキシカルバミド」が処方されました。
この薬剤は1カプセルあたり500ミリグラムで、医師は「1日1カプセル」を処方するつもりが、電子カルテに「1日5カプセル」と誤って入力したということです。
県立がんセンター 佐々木治病院長(Q.誤入力の要因)
「電子カルテに1カプセルと入力するか、500ミリと入力するか2つ選択肢があって、そのうち500ミリがちらっと頭に浮かんだと思います」
患者はその後、この薬の過剰投与による副作用で、敗血性ショックや合併症を発症し、死亡しました。
薬を処方した調剤薬局は、「上限量を上回っている」と認識しながらも、薬の添付文書に「適宜増減」と記載されていたために、医師の判断だと思い込み、確認を怠ったとして謝罪しました。
調剤薬局経営 シップスヘルスケアファーマシー 市谷文吾代表取締役
「『適宜増減』は明確な基準がないのですが、だいたい一般的には記載された量の2分の1から2倍まで」
病院と調剤薬局側は遺族と示談をしていて、電子カルテシステム改修などの再発防止策をとったということです。