宮城県登米市で計画されている市役所を兼ねた新たな複合施設の建設をめぐり、熊谷市長は計画を撤回するために、設計事業者の公募を再開することを明らかにしました。建設を止めたいのに募集再開…一体どういうことなのでしょうか。

計画は市役所本庁舎や図書館などを合わせた新たな施設を整備するもので、前の市長のもとで進められていました。

熊谷市長は、およそ147億円という費用がかかることなどから、撤回を掲げて4月に当選。しかし、「合併特例債」を活用すれば費用の8割近くが賄えることなどを理由に議会から反発を受け、撤回に向けた道筋は立っていないのが実情です。

特例債の使用期限の2030年度末までに事業を完了するには、設計業者の決定を急がなければいけない事情もあります。

こうした中、8月4日、熊谷市長は設計業者の公募を再開すると発表しました。物価高騰などで増額が懸念される費用を明らかにし、人口やまちの規模に見合った計画なのかを改めて問いたい考えです。

登米市 熊谷康信市長
「私自身の考えは基本的には白紙撤回をしっかりと説明するためのデータだという考え。どのように進めるのか、最終的な判断は現時点では見送りたい」

公募中断前は、4つの業者が1次審査を通過していたということですが、再開で何社が応募するか、市は不透明な状況だとしています。

仙台放送
仙台放送

宮城の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。