先週金曜日(8月1日)、「電線から火花が出ている」といった通報が仙台市内で相次ぎました。原因は「トラッキング現象」と呼ばれる電線が湿気と、ほこりで発火する仕組みです。猛暑と久しぶりの雨が引き起こした思わぬ発火リスクとは?
「バチッ!」
勢いよく飛び出す火花。先週金曜日、仙台市内でこうした騒ぎが相次ぎました。
午後5時過ぎから消防に相次いで寄せられた通報。「電線から火花が出ている」「煙が見える」。通報は日付が変わるまでにあわせて16件。仙台市内の広い範囲にわたって発生しました。
幸い、けが人や延焼などの被害はありませんでしたが、一体なにが起きたのでしょうか?
東北電力ネットワークによると、原因とみられるのは「トラッキング現象」。あまり聞き慣れない言葉ですが、簡単に言うと、電線の表面で「プチ発火」が起きる現象です。
仕組みはこうです。木の枝や風に飛ばされたものが電線に接触。電線の黒いビニールに小さな傷が着く。乾燥した状態が長く続く。そこにほこりや塩分がたまる。さらに雨や湿気が入り込む。電気と水分が反応して「バチッ!」
今回は7月中旬から半月以上も雨が降らず、そこに久しぶりの雨が加わったことで、一気に条件がそろったとみられています。
東北電力ネットワークは、電線を計画的に交換する対応を進めていますが、細かい傷まで見つけるのは難しいということです。
見慣れた電線から突然の発火…。猛暑と久しぶりの雨が生んだ思わぬ現象でした。