夏の全国高校野球選手権大会は8月5日、阪神甲子園球場で開幕する。4年連続20回目の出場を決めた福島代表・聖光学院。勝負強さを武器に福島県大会を戦った2025年チーム。注目選手とポイントを深掘りする。

勝負強さ光る聖光学院
勝負強さ光る聖光学院
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逆転勝ち 光る勝負強さ

福島県を代表する強豪校・聖光学院。今年のチームを象徴するのが「勝負強さ」だ。
3月の「春の選抜」二回戦・早稲田実業戦では、7回表・4番竹内が勝ち越しヒット。聖光が7対4で早稲田実業を破った。
6月春の「東北大会」準々決勝・久慈戦では、7回裏・5番細谷の2点タイムリーで聖光が7対6で久慈に勝利。
7月夏の「福島大会」準決勝・光南戦では、5点差を逆転勝ちした。

甲子園の切符を手に入れた聖光学院
甲子園の切符を手に入れた聖光学院

新体制となった2024年秋からの公式戦では、21勝のうち12勝が”逆転勝ち”。劣勢を跳ね返す「底力」が光る。

経験が財産に

聖光学院・斎藤智也監督は「自分たちの理想とする試合ばかりではないということがいっぱい経験できたおかげで、試合重ねるごとにうちの選手らが一喜一憂しなくなったり動じなくなったなというのは財産だったと思う」と話す。

聖光学院・斎藤智也監督
聖光学院・斎藤智也監督

大嶋哲平投手を中心に「投」「打」が噛み合い、最後は勝つ。強さの根底にあるのが「信頼」だ。福島大会決勝戦で完投した大嶋投手は「先制されている時、俺らが取り返すからと野手から声をかけてもらったので、自分はそれを信じて投げていました」と語る。

大嶋哲平投手
大嶋哲平投手

大嶋選手が目指すのは「ピッチャーが0に抑えたら野球の試合は負けないと思うので、そういった意味では野手に『大嶋が投げているから、自分たちはそんなに打てなくても気にしなくていい』って思ってもらえるようなピッチャー」だと話す。

チーム打率4割超えの攻撃力

そして、斎藤監督が「歴代ナンバーワン」と認めるのが打撃陣。夏の福島大会でのチーム打率は、4割1分7厘と4割超え。会津北嶺との決勝でも6回に6点を取るビッグイニングをつくった。

準決勝の光南戦で活躍した細谷丈選手は「春大会から意識しなくても、体が勝手に緊張感を持ってやって疲労感も全然違うし、そこはメンタル面でも強くなったかなと思う。ホームランとかじゃなくて、ストライクゾーンに来たボールは全部降るっていう覚悟で、チャンスの時は自分が返せるように頑張りたい」という。

細谷丈選手
細谷丈選手

チャンスを逃さない勝負強さ

2025年春から聖光学院を取材している福島テレビの藏本智大アナウンサーは「この数カ月で技術だけではなく精神力も強くなった」と語る。福島大会では「投げてよし」「打ってよし」どのような試合の流れでもチャンスを逃さない勝負所に強いチームになっている。

チームテーマの「不動心」を体現するチームに
チームテーマの「不動心」を体現するチームに

また聖光学院・斎藤智也監督は「終わったことにとらわれない、今の現実に集中する“不動心”が夏に体現できた」とも話していた。

強いゴロに注目
強いゴロに注目

さらに取材を続ける藏本アナは聖光学院の「強いゴロ」に注目する。斎藤監督も、2024年から低反発のバットに変わったことで、2025年は「高い打球よりも強いゴロを打ったほうが相手の動きも増えて、その分チャンスを作りやすくする」と話していた。

聖光学院の注目選手

そして、藏本アナが注目する選手は、キャッチャーで守ってよし打ってよしのチームの要・仁平大智選手。夏の福島大会の打率は驚異の5割3分8厘。

笑顔が魅力 仁平大智捕手
笑顔が魅力 仁平大智捕手

春の選抜は2割3分にとどまったが、この夏は絶好調で甲子園でも注目だ。そして何より魅力は笑顔。甲子園でもチームを明るくする笑顔が見たい。

全国制覇目指す

いざ、甲子園へ。目指すは“全国制覇”だ。7月31日の出発式で聖光学院・竹内啓汰主将は「感謝の思いを胸に、感謝の思いをプレーで表現できるように最後の最後までやりきります」と甲子園での活躍を誓った。

竹内啓汰主将
竹内啓汰主将

7月31日に福島を出発した選手たちは、大阪の宿舎に移動し現地で最終調整を行った。
夏の甲子園は、8月3日に組み合わせ抽選会が行われ、5日に開幕する。
(福島テレビ)

福島テレビ
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