カムチャツカ半島付近で発生した地震による津波について、7月31日の津波注意報の解除から一夜、岩手県内では各地で養殖施設への被害が確認されています。

津波注意報解除から一夜、陸前高田市の広田湾で確認にあたった地元の漁協によりますと、カキの養殖いかだの一部でロープが切れたり固定するアンカーがずれたりする被害が確認されたということです。

大船渡湾でも、7月31日と8月1日に漁業者たちがカキの養殖施設の状況を確認しました。
カキの養殖は浮き球を使って海面にロープを張り、そこから海中へとロープを下ろす形で行われています。

湾内では、漁業者が津波の被害を確認し応急的な手当てをする姿も見られました。

漁業者
「被害はある。(浮き)球が沈んだから、沈んで(水圧で)破裂したから、“フロートだる”を付け直している。あすまで持たないから」

津波で、養殖施設を固定するアンカーが動き、それにより浮き球が沈んで破損する被害があったということです。

大船渡養殖組合 中島達也組合長
「やっぱり被害が出たかという感じ。復旧作業も日にちがかかると思うので、その遅れがちょっと心配」

一方、久慈市の魚市場では2日ぶりに営業を再開しました。
津波の影響が懸念されましたが、8月1日朝は例年並みの約6tが水揚げされました。

久慈市漁協魚市場課 西野隆巳課長
「今のところ被害の状況ははっきりしていない。今からどうなるか」

久慈市漁協によると、8月1日時点で定置網や養殖への被害は確認されていないということです。

そして山林火災で被災した大船渡市三陸町の綾里漁港では、9月中旬の出港に向けたサンマ船の準備作業が行われていました。
この作業は津波の影響で2日間止まっていたということです。

マルカツ水産 佐々木晶生社長
「当然今暑い日が続くので、少しでも早く準備を終わらせて、出航まで働く人の体を休める時間にあてたいので、その時間が減ってしまったのは残念。でも悪いことばかりじゃないと信じて、サンマ漁が大漁だったらいいと思う」

岩手めんこいテレビ
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