水不足が深刻化する新潟県上越市。断水を回避するため、市民・行政の努力の日々が続いています。

■水不足が深刻化…節水呼びかける上越市

【上越市 中川幹太 市長】
「断水を回避するには、市民の皆様の引き続きのご協力が何より必要となってまいります」

7月30日、上越市の中川幹太市長が改めて市民に呼びかけた節水への協力。

30日、渇水被害を受けている水田の状況を視察に訪れた立憲民主党の野田佳彦代表に明かされたのは…

【上越市の担当者】
「例年だと7月の降水量は200ミリあるが、今年に限っては1ミリということで全く雨が降っていない」

7月に入り、雨が全く降っていないという現状です。

地元農家:「ここも水が入っていれば、助かるか助からないかギリギリのところ」
野田代表:「まだ入れば可能性はあるわけですか」
地元農家:「一番いいのは雨が降ってくれること」

さらに上越市の主な水源となっている正善寺ダムの貯水率は12.5%まで低下。ただ、市民の節水の取り組みにより、貯水率の低下速度は抑えられていると言います。

【岡崎弘樹さん】
「ここがいつもの給水ポイント、いつもはもっと勢いがある」

こう話すのは上越市の節水対象区域内で1人暮らしをしている岡崎弘樹さん。飲み水を確保するため、週2回、春日山のわき水をくみに来ていると言います。

ただ、そのわき水も水量が減少しているため…

【岡崎弘樹さん】
「人生で初めて、『水を使わないで』と言われている。(水が)止まってしまうと結構不安」

■温浴施設の“無料開放”始まる

こうした中、節水に協力する市民の助けになればと、上越市の温浴施設『天然温泉 門前の湯』は利用料を無料に。

【利用者】
「うれしい。助かる。今、汗をかいてしょっちゅう入らないといけないのに、節水するためにタオルで拭いたりしていた」

【利用者】
「ありがとね、うれしい」

【門前の湯 尾崎久雄 店長】
「夏休みということもありまして、ご家族で癒やしに来ていただければ」

この他、市の温浴施設8箇所も無料で開放されています。こうした努力や協力により…

【上越市 中川幹太 市長】
「(少なくとも)お盆過ぎの17日までは断水を回避できるものと見込んでいる」

■新たな水源確保へ工事進む

そして、行政は新たな水源の確保にも取り組んでいます。

【記者リポート】
「貴重な水を確保しようと、現在こちらでは上越妙高駅付近にある井戸と山の上にある城山浄水場をつなぐ緊急の配管工事が行われています」

8月上旬の完了を目指し、消雪用の井戸水などを浄水場に引き込むための配管工事が進められています。

NST新潟総合テレビ
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