7月29日静岡県内は厳しい暑さとなり、4地点で猛暑日となりました。こうしたなか、富士宮市の牧場では連日の暑さで牛が夏バテとなり牛乳の生産量が減少し対応に追われています。

県内は朝から強い日差しが照り付け、佐久間で37.8℃、川根本町で36.2℃と猛暑日に。御殿場でも34.8℃を観測しました。

連日続く厳しい暑さ。影響を受けているのは人間だけではありません。

市の瀬牧場・市瀬晶菜さん:
暑さでバテてしまった牛が肩で息をして呼吸が荒くなっている。耳が落ちて元気がないという状態です

県内1位の牛乳生産量を誇る富士宮市。市の瀬牧場では7つの牛舎で約450頭の乳牛を飼育しています。

2025年は早い時期からの暑さで牛が“夏バテ”になっているといいます。

市の瀬牧場・市瀬晶菜さん:
エサが食べられないので牛乳を生産する量も落ちる。エサが食べられない分、体力が落ち他の病気にかかりやすくなる

毎日約10トンの生乳を出荷していたという市の瀬牧場。暑さの影響で牛の食欲が低下し、6月以降出荷量が1割減少しました。

市の瀬牧場・市瀬晶菜さん:
これが11時に配った新しいエサ。全然減っていなくてたくさん残っている。本来だともっとたくさん食べて、食べに来ている牛もたくさんいて量がかなり減っているという状態になっていなければならない。暑くて食べられず、残ってしまっている状態

一般的に気温が25℃を超えると自分で体温調節ができなくなると言われている乳牛。

牛舎は日陰になっていますが日中の気温は30℃にまで昇り、牛たちには大きなストレスが。

牧場では“暑さ対策”に力を入れています。

伊藤渚紗 記者:
こちらの牛舎には約30台以上の大きな扇風機が取り付けられ、ミストが直接牛に掛かるように出ています

牧場では牛舎にミストが出る大型扇風機を設置して24時間回し続けています。

風通しを良くしたうえで、気化熱を利用して牛舎全体の温度を下げるため。ただ、気になるのは電気代です。

市の瀬牧場・市瀬晶菜さん:
1日中24時間回している。電気代が冬の倍くらいになる。牛乳出す量は減ってしまうけど電気代は上がるということで経営的には厳しくなる

搾乳量の減少に加え、暑さ対策にはコストがかさみますが、品質への影響はないため市瀬さんは牛乳をたくさん飲んでほしいと願っています。

この厳しい暑さは30日も続く見通しで、静岡・三島では猛暑日が予想されています。熱中症への厳重な警戒が必要です。

テレビ静岡
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