市政が停滞・混乱する静岡県伊東市。
2カ月前の5月29日に田久保眞紀 市長は初登庁し、市民 約6万2000人の命・生活を守るトップに就きました。
伊東市・田久保眞紀 市長(5月29日):
根っからの仕事人間なので、まずきちんと仕事を把握してパフォーマンスの良い仕事をしていきたいと、いま頭がいっぱいの状態
市の職員に対しては「新しい伊東の未来をつくりましょう」と訓示しました。
伊東市・田久保眞紀 市長(5月29日):
私のチームとして、私がチームの一員として皆さんに信頼してもらえる、そんな存在になれるよう誠心誠意努力していきたい。そのように感じています
ところが、数日後に明るみになった「学歴詐称疑惑」で一転…。
議会の追及と市長の弁明が繰り返される日々がいまも続いています。
市役所には苦情や問い合わせの電話が殺到し、市政の停滞・混乱が続いています。
先週、職員の労働組合は精神的にも肉体的にも疲弊する職員の実情を訴えました。
伊東市職員労働組合連合会
斉藤勝巳 執行委員長:
子供が病気で休みたかったが迷惑をかけてはいけないと出ている。対応を平日やっているわけで自分の仕事が進まない。土日に出て自分の仕事を処理している
このほか「ピーク時はトイレも行けず、昼休みも電話を取りながらの仕事だった」「胃腸の調子が悪いし疲れで発熱した」といった声も寄せられています。
そして、7月28日は教育委員が申し入れを行いました。
強く求めたのは教育長不在が続いているいまの状況の改善です。
小野達也 前市長が退任した5月28日。
前市長が任命した副市長2人と教育長も市役所を去りました。
いずれも市長が任命するため、トップ交代による退任は多くの自治体で見られます。
問題は新たに就任したトップが行う後任人事です。
しかし…
伊東市・田久保眞紀 市長(5月29日):
新たな副市長・教育長を選ぶにあたって、空席だからといって、とにかくすぐに選ばなければいけないと急ぎすぎるとそういったポジションでもございません。適任の方をしっかりと選んでいきながら、その間は私が1人ですることに対して職員が全力でサポートしていただけるということでやっていきたい
教育委員はすぐ教育長を任命するよう求めましたが、市長が6月議会で候補者を示すことはありませんでした。
急ぐ理由は耐震性に問題がある「保育園の仮移転」や「中学校の再編」など、教育長の判断を受けすぐ取り掛かりたいことがあるからです。
伊東市教育委員会
遠山泰範 教育長職務代理者:
子供たちをはじめ伊東市民が安心できる教育行政を取り戻すことを念頭に、誠意ある対応を強く要望いたします
また、この時期、市では「サマーレビュー」という次年度の予算編成を見すえ、市の事業の確認をする仕事がありますが、幹部不在のためその作業も滞っています。
市長は先週は午前中だけで帰宅、休みを取るなど、市役所を不在にする時間が多くなっています。
災害などの危機はいつ訪れるか分かりません。
7月29日で就任から2カ月。
そして31日、進退を明らかにするという田久保市長。
伊東市の混迷はまだ出口が見えません。