中国地方を主会場に開かれているインターハイ『中国総体2025』。
7月26日に広島県で行われた陸上女子100メートルに、鳥取敬愛高校の前田さくら選手が悲願の日本一を目指し出場しました。
最強のライバルとの結末は…。

26日、広島市で行われたインターハイ陸上女子100メートル。
一般ランナーと戦った7月の日本選手権で6位入賞、鳥取敬愛高校3年生の前田さくら選手と、同じく日本選手権で5位入賞、広島皆実高校3年生の松本真奈選手による史上最高レベルの日本一争いが注目されました。
前田選手、松本選手は、ともに余裕のある走りで予選通過を決めます。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
「最高加速をゴール側に持って行って、自分の持ち味のピッチ(足の回転の速さ)でそのままゴールするみたいな感じのイメージで走っていました」

福島睦アナウンサー:
「会場は日差しがかなり強く、立っているだけでも汗が噴き出してきます。この暑さを考慮して、一部競技日程が変更されました」

全国高体連は、暑さ対策で、競技の実施方式を大幅に変更。
通常は準決勝を行い、決勝に勝ち上がった8人が着順で順位を決めますが、今大会は準決勝を行わず、予選を勝ち上がった24人が3組に分かれて走り、それぞれのタイムで全体順位を付けるタイムレース決勝が導入されました。
これにより前田選手と松本選手、ライバル同士の直接対決は実現しませんでした。

決勝の第2組で登場した松本選手は、追い風参考ながら大会記録を上回る“11秒42”を叩き出し、暫定トップに躍り出ます。
その直後、最終第3組に登場した第5レーンの前田選手。

順調なスタートから徐々に加速し、力強い走りを見せます。
運命のタイムは、“11秒47”。
同じく大会記録を上回る好タイムでしたが、風の条件の不利もあり、日本一を目指したインターハイは、ライバルにあと一歩及びませんでした。

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
「ずっとこれまで日本一になるために頑張ってきたので、優勝できなかったこと、すごい悔しかったです」

直接対決で勝負が決しなかったことに、ライバルの松本選手もやりきれない思いを抱えています。

広島皆実高校3年生・松本真奈選手:
「やっぱり、このインターハイという全国の舞台でさくらと一緒に正々堂々戦って優勝したかったので、ちょっとお互い多分ムカムカという気持ちはありますね」

広島皆実高校3年生・松本真奈選手:
「(前田選手に)負けられないなという気持ちもあるんですけど、本当いい友達なので、いつも笑顔で話しかけてくれるので嬉しいです」

3年間、二人三脚で前田選手を支え続けた西澤監督は。

鳥取敬愛高校陸上競技部・西澤真徳監督:
「色々な意味で持っている選手なので、トップアスリートになる素質を。そこは自信を持って、これからもまだまだ勝負が沢山あるので、強い選手になって、またいつか勝負したいですね。多分負けますけど。卒業までに勝負しようって言っているので」

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
「勝ちます!」

鳥取敬愛高校3年生・前田さくら選手:
「3年間、日本一というのを(西澤監督に)恩返ししたかったので、それができなかったのはすごい悔しかったので、国体でまた頑張りたいなと思います」

追い風があと0.1メートル小さければ、公認記録として前田選手の決勝のタイムが大会新記録になっていた…。
挙げきれない悔しさもありますが、前田選手は前を向いていました。
悔しさを力に変えて、今後、必ず地元を沸かせる素晴らしい選手になってくれると思います。

TSKさんいん中央テレビ
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