自民党の「両院議員懇談会」の最新情報を自民党本部で取材を続ける木村祐太記者がお伝えします。
石破総理は参院選の敗北についてお詫びした上で続投の意向を示しましたが、中にいる議員に取材したところ、「拍手した議員は10人くらいだった」と話しています。
石破首相は懇談会の冒頭で、「先般の選挙、大変に厳しい結果。深く心からお詫びを申し上げます。なぜこのような結果になったか、虚心坦懐に反省をし考えを巡らせました。深くお詫びを申し上げる次第です」と謝罪しました。
その上で、日本とアメリカの関税交渉について「合意の着実な実行に全力を尽くしたい」と述べ、続投に理解を求めました。
一方、森山幹事長は参院選の敗北について8月中に報告書をまとめると話し、「まとまった段階で幹事長としての責任について明らかにしたい」と述べ、辞任する可能性を示唆しました。
Q ここからは「両院議員懇談会」の3つのポイントについて見ていきます。まずは『自民党議員の反応』冒頭の挨拶では石破総理、あらためて続投に意欲を示しました。「即座に辞めろと言う」と意気込む議員もいたということですが懇談会の中では議員から石破総理へどんな発言がありましたか?
木村記者:
懇談会は非公開のため会場にいる複数の議員に様子を聞いたところ、「辞めるべき」と言った意見が多く出ているとのことですが、一方で、「続けるべき」との発言もあったとのことです。
また、会場の中は「どんよりした雰囲気だ」とのことです。
途中退席した議員に話を聞くと「引きずりおろされる形ではなく、関税交渉などに一定のめどがついた段階で自ら辞めてもらうのが理想だ」と話していました。
Q 総裁選の前倒しなど重要事項の議決ができる「両院議員総会」の署名は必要な数に達したということですが“総会カード”はいつ提出されるでしょうか?もし提出された場合いつ行われるのですか?
木村記者:
署名集めを行っていた議員は「総理の発言に納得できなかったらきょう提出するかもしれない」と話しています。
自民党の党則で、開催する場合は「要求があった日から7日以内」と書かれているため、早ければ今週中の可能性があります。
ただ、ある重鎮議員は「本人が辞めるといわない限り引きずりおろすのは難しい」との見解を示しています。
Q 続投の意思を示す石破首相・執行部の狙いと、辞任を求めている人の思惑は何なんでしょうか?
木村記者:
石破総理はきょうも、関税交渉を続投の理由に挙げていました。
一方で、総理周辺は「何が何でもしがみつくなんてことはない。一番に考えるのは国益だ」と話していて、石破総理の狙いはあくまで政治空白を作るわけにはいかない、という考えなんです。
これに対し、表だって辞任を求める議員の多くは、前回の総裁選で石破総理に投票しなかったいわば“ライバル”陣営です。
週末に公然と退陣を求めた茂木氏や高市氏に近い議員が前面に立って署名活動などをとりまとめていて、これらの動きは、ポスト石破レースと直結していると言えると思います。