ロシアの同盟国ベラルーシの隣に位置する国、ポーランド。
ポーランド政府がベラルーシとの国境に建設したフェンス。
全長186kmあり、3000台の監視カメラによって24時間体制で監視されています。
ベラルーシが意図的に流入させているとする、中東やアフリカなどからの不法移民への監視が目的です。
ポーランド国境警備隊:
残念ながら、ここ数年、このような試みが頻繁に行われており、移民たちはヨーロッパの状況を不安定化させる武器として扱われています。
ロシアがウクライナに侵攻して以降、ロシアやベラルーシは軍事行動にとどまらず、サイバー攻撃や情報操作、経済的圧力などの手段を組み合わせた、いわゆる“ハイブリッド攻撃”を仕掛けています。
ポーランド・トゥスク首相は「数年のうちにヨーロッパとロシアが戦争になる可能性がある」と、軍事力の大幅強化を決断。
国境も「次の前線」になり得るとして、防御地帯を全国境にわたって再整備する構想です。
先の大戦でソ連に侵攻され、多くの命を失ったポーランド。
国境に住む住民は、「平和」のための再軍備という現実を突きつけられています。
国境に住む住民:
82歳です。第2次大戦中に生まれ、家族や村が焼かれ、ユダヤ人も殺されました。だからこそ、今の平和を信じたい。平和は我々の子ども、孫、我々すべてに必要です。
“平和は、ただ願うだけでは守れない”。
国境の壁が、過去の教訓に学ぶポーランドの強い意志を象徴しています。