伊東市の田久保眞紀 市長の学歴詐称問題をめぐり開かれている市議会の百条委員会は7月25日、市長が記録提出や出頭を拒否したことを受け、顧問弁護士による見解を共有しました。

伊東市の田久保眞紀 市長をめぐっては市の広報誌などに「東洋大学法学部卒業」と記す一方、実際には除籍されていたことがわかっていて、市議会から辞職を勧告されているほか、百条委員会による調査が続いています。

百条委員会では、田久保市長に対し“卒業証書”とされる資料を提出するよう請求しましたが田久保氏側が拒否したため、7月25日に開かれる委員会に出頭した上で、証言するよう求めていました。

ただ、田久保市長は24日に「求められている事項は、いずれも回答が事実上不可能な内容を含むものであり、不適切な請求であると考えます。出頭日時は、唐突かつ一方的な指定であり、代理人弁護士のスケジュール調整が困難な状況です。私には代理人弁護士を依頼する権利があり、その権利は尊重されるべきであると考えます」などと百条委員会への出頭も証言も拒否する旨を記した回答書を提出しています。

こうした中、25日に開かれた百条委員会で井戸清司 委員長は「刑事上の責任を問われる可能性のある事項について、供述を強要されないことは憲法上保障されている権利であるため、最終的な司法の判断となった場合においてもこの見解が維持される公算が大きいであろう」との市の顧問弁護士による見解を説明しました。

一方で、顧問弁護士は「公職選挙法違反における刑事告発の事実が卒業証書とされる書類の提出を困難とするという論理については、その関連性が直接的とは言い難く当該書類を提出するとなぜ公職選挙法違反において刑事訴追を受ける可能性があるのか、ということが十分に説明されていない」とした上で、「本委員会による記録提出の請求は正当な理由なく拒むことはできないことから、単に刑事訴追のおそれがある、いわゆる黙秘権を行使するなどと述べるだけでは自己の不利益とつながる説明が不十分であるため、委員会として判断する材料が少なく、すなわち正当なものと捉えることは出来ない。回答書における拒否の理由については、示された理由そのものは憲法上保障された権利であるため、これ自体は正当なものと認めることができるものの、本委員会の記録提出請求に対する拒否の理由として考えた場合には直接的に不利益が生じる理由が十分に説明されておらず、ただちに正当であるとは認めがたい」とも述べているということです。

これを受け、百条委員会側も「直接的な理由が十分説明されておらず、直ちに正当な理由とはならない」と判断し、田久保市長から直接「大学を卒業していない」と聞いたと話す知人を来週中に証人尋問することを決めました。

百条委員会は尋問で得られた証言や東洋大学側への照会結果が出た後に、田久保市長に対して再度出頭を求めるかや刑事告発するのかなどの方針を協議する考えです。

テレビ静岡
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