全国で発生し被害を出しているゲリラ豪雨。ゲリラと呼ばれるように、どこで大雨になるか予測ができず、短時間で天気が急変します。村田気象予報士が「ゲリラ豪雨 なぜ発生する?」をテーマに詳しく解説します。

◆積乱雲が発生する2つの要因

<村田光広気象予報士の解説>
つい先ほどまで晴れていたのに、急に大雨になる「ゲリラ豪雨」をもたらすのは、積乱雲です。その発生要因は、主に2つあります。
 
1.強い日差しによって暖められた地上の空気
2.上空の寒気               

夏は強い日差しによって暖められた地表付近の空気が上昇します。温度が高くなればなるほど勢いよく上昇します。上昇した空気は上空で冷やされて雲が発生するのですが、このときに上空に寒気があると積乱雲が発達します。
  
地上と上空の温度差が大きければ大きいほど積乱雲は発達し、1時間に数十ミリ、ときには100ミリを超える猛烈な雨を降らせることもあります。
 
近年の夏は、高温になるため積乱雲がより発達するので、夕立ちとは雨の降り方が違います。また、都市化が進むなどして排水が間に合わず、内水氾濫など、短時間で大きな被害につながることが多くなっています。

◆ゲリラ豪雨の兆候、天気予報のポイント

次のような兆候がある時はゲリラ豪雨に注意が必要です。
・真っ黒な雲が近づいて、急に暗くなる
・雷の音が聞こえたり、雷の光が見える
・急に冷たい風が吹く
   
これらは、活発な積乱雲が近づいてきたサインです。
   
前日の天気予報で「大気の状態が不安定」「上空に寒気が入る」「所により雷」といった解説をすることがあります。このような時は、天気が急変する恐れがあります。
   
そして「雷注意報」が発表されているときはゲリラ豪雨に注意が必要です。スマホなどで気象情報を確認することも必要です。

気象庁のウェブサイトでは雨雲の動きを見ることができ、大雨になっている場所が分かります。また、雷活動度という情報もあり、黄色や赤の表示がでてくるとゲリラ豪雨をもたらす積乱雲が発達しているサインです。リアルタイムの情報を収集することも大切です。
  
夏休みで、 海や川のレジャーの最盛期、ゲリラ豪雨に注意しましょう。

福井テレビ
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