自民党が参院選で大敗したことを受けて退陣論が噴出する中、石破総理は歴代総理経験者の自民党の重鎮3人と会談し「自身の進退の話は出ていない」と強調、続投に意欲を示しました。

会合で何があったのか。石破総理の取材歴20年のジャーナリスト・鈴木哲夫さんは会談後の石破総理に”直電”。電話に出た石破総理が語ったのは、「退陣なんてひと言も言ってない」という答えでした。

さらに石破総理は「今後、日米の相互関税について国会で説明するため」続投する意向だと明かしたということです。


■参院選で「トップと2番目」の票獲得の維新 参政の躍進で自民は27年ぶり敗北

きょう=23日、大阪府庁では参院選大阪選挙区でトップ当選を果たした日本維新の会の佐々木理江さんと2番目に多い票を獲得した岡崎太さんが、選挙管理委員会から当選証書を受け取りました。

【日本維新の会・佐々木理江さん】
「身が引き締まる思いでいっぱいです。いただいた票を無駄にしないよう、また2人で頑張っていきたいと思っています」

大阪選挙区は2016年以降「維新2議席、自民・公明1議席ずつ」が指定席でしたが、参政党の宮出千慧さんが議席を獲得し、自民党が27年ぶりに負けて構図が変わる結果になりました。

■過半数割れの与党…責任問われる中 「歴代総理」3人と会合

全国的にも大敗を喫して過半数を割り込んだ与党。

自民党内で石破総理にその責任を問う声が高まる中、23日、自民党本部では石破総理が菅副総裁、岸田前総理、麻生最高顧問の「歴代総理経験者」たちと会談しました。

【石破茂首相】「強い危機感を皆で共有した。党の分裂はあってはならないということ等々、色んなお話がこざいました」

■石破総理は「辞任否定」 自民党内では退陣論噴出も

自身の進退について話し合われたのかどうか注目されましたが…

【石破茂首相】「私の出処進退につきましては一切話は出ておりません」

石破総理は辞任を否定。

その理由として日米関税交渉が合意に至ったことを挙げ、合意が確実に実行されるよう続投に意欲を示しました。

【石破茂首相】「国民生活がきちんと守られる事に向けて全力を尽くしてまいりたい」

しかし自民党内では依然、総理の退陣論が噴出していて、23日は青年局が開いた地方組織との会議でも石破総理の退陣を求める声が出たということです。

■鈴木哲夫さん独自取材 「退陣なんてひと言も言ってない」と石破総理

石破総理を20年にわたって取材しているジャーナリストの鈴木哲夫さんは、会談後に電話取材を敢行。

石破総理が語ったのは「退陣なんてひと言も言ってない」ということでした。

【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「一部メディアが『退陣』を前提とした記事を出していますが、『そんなこと自分は一言も言ってないんだ。続投という気持ちなんだ』ということでしたよね」

(Q歴代総理との会談で出処進退の話が出ていないのは本当?
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「取材をもとにした想像ですけど、例えば選挙の総括はちゃんとしなきゃいけないとか、そういう話はおそらく出たと思いますね。だけれども、直接『あなたが辞める』とか、『いつ辞める』とか、まさに出処進退については話が出なかったんだろうと僕は思いますね」

(Qでは、何が話された?)
【鈴木哲夫さん】「おそらく石破さんとしては、続投して行く上で『これからこういうことをやりたいんだ』という説明をした。総裁経験者の3人は、『まあそれもわかる』と。だけど、やっぱり選挙の総括をやらなきゃいけないっていうことで、話が終わったのかなって感じがしますね」


■「歴代総理」との会合は石破総理主導 続投して日米の相互関税説明に意欲か

(Q.「引導を渡す」ために麻生最高顧問たちが集まったが、日米の相互関税が15%で合意成立という良いニュースがあったことで免れたということはあるのか)

【鈴木哲夫さん】「実は、きょう(23日)の会合は石破さんの方から『ぜひ話をしてほしい、聞いてほしい』ってことで呼びかけてるんですよね。これは選挙の実は中盤ぐらいから『こういう会合を一度やっぱりやらなきゃいけない』って石破さんが考えてたんですよ。要するに『引導を渡す』というよりも、石破さんの方から『一致結束してやりたいので、お願いをしたい』と呼びかけて話をしたと見ていいと思います」

(Qこの後、石破総理を何をしたいのか?)

【鈴木哲夫さん】「電話ではっきり聞きました。まず関税。色んな評価あると思いますけど、もっと悪いだろうと言われていたのが15%で収まった。よくやったと言う声も両方評価あるんですが。

石破さんが言うには、品目が全部で4318品目あるんですね。これを1つずつ石破さんは業界とかに『説明をしていく。国会で説明をしていく責任がある』と言いました。これ説明する国会1日で終わりません。だからこれは臨時国会を含めて、当分国会の場できちんと自分は続投していくという意味合いですよね」

(関西テレビ「newsランナー」 2025年7月23日放送)

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