参院選の結果、自公あわせて47議席と、目標だった「非改選と合わせて過半数」に届かず、大敗を喫した自民党。

石破茂首相(68)は、アメリカとの関税交渉が続いていることや自然災害の対応などを理由に挙げ、“国政に停滞を招かないために”と、続投を表明しました。

そんな中、21日に突如、辞表を提出したのは、自民党で選対委員長代行を務めていた、河野太郎前デジタル相(62)です。

さらに河野氏は選挙の責任者の立場にある、森山裕幹事長が辞めないことを痛烈に批判しました。石破政権の行方はどうなっていくのか?「サン!シャイン」は、渦中の河野氏に、気になる疑問を直撃しました。
「期待に応えられなかった責任は取らなくては」
――今回の参院選をどう総括されますか?
河野太郎 選対委員長代行:
本来なら目標は「50」ではなく、せめて60とかそのくらい取らなければいけなかったのだと思います。当面のことを考えれば、過半数が目標ですが、それを大幅に割り込んだ、「47」。
少なくとも最低限の目標を割り込んだことは、自民党、公明党の敗北と言わざるを得ないと。

与党として政権を担ってきて、物価高対策を始め国民の皆さまの期待に応えられなかったということは事実ですので、何がいけなかったのかということはきちんと検証をして、改めるところは改めるということをやらなくてはいけないと思います。
ただ、その前にまず、期待に応えられなかったという責任は取らなくてはいけないので…。

――河野さんは「森山幹事長は辞めるべきだ」とおっしゃっていましたが、理由は?
河野太郎氏:
(石破首相に関しては)日米の関税交渉の期限間近で、本当に人間関係を含めたギリギリのところというのは、赤沢大臣と総理が一番分かっているので、二人で決着をつけるのか、次に託した方がいいのかという判断は二人がすべきだと思いますが、少なくとも森山幹事長は、日米交渉と関係ありません。選挙の責任者でもありますから、総理が「日米交渉を自分で決着しなきゃならん」と判断されるのなら、幹事長は「総理はそういう仕事があるから、自分が全責任を負って辞めます」ということをおっしゃって「だから総理は関税交渉をしっかりやってもらって」と説明されるのが筋なのだろうと。
総理残ります、幹事長残ります…じゃあ誰が責任を取るんですか?ということにはならないだろうと。

――関税交渉が終わったら石破首相は辞任すべきだと?
そこはもう総理のご判断だと思いますが、まずは日米関税交渉というものを自分で仕上げなければ、ここまできてこれを白紙に戻すわけにはいかないという判断であるなら、そこまではしっかりやっていただく必要があるだろうと。相手からしてみれば、終わって辞める政権と交渉をするのかどうかという話もあるでしょうから、そこは総理のご判断かと。
――自民党が“頼れる”というイメージを取り戻すにはどうしたら?
河野太郎氏:
まずは、自民党は頼ることができるという信頼感を取り戻すのは非常に大事なことで、「自民党は何を実現するのです」というのをしっかり出せなかったのが、私は最大の敗因だと思っていて、いろいろな役所から出てきたものをホチキスでとめて「公約集です」というのはもう刺さらないですし、何を実現しようとしているのか国民の皆さまに伝えることはできないのだと。
――国民が一番今求めていることは何だと思いますか?
河野太郎氏:
やはり、未来に希望が持てる、日本はだから良くなるんだという希望を持てることを明確にしていくというのが、国民が求めていることだと思います。
首相に意欲も「まずはきちんと検証する」
「サン!シャイン」では、スタジオゲスト陣や視聴者からも気になる疑問を募集。現在の自民党に対する思いや、掲げた政策はどうなるのか?少し聞くのをためらうような質問まで、詳しく聞きました。

Q.自分が首相だったら参院選の結果は違った?
河野太郎氏:
それは大分違ったとは思います。
いい方か悪い方かは別として、給付ではなく日銀に対して、円高にするための金利の緩やかな引き上げをやってくださいと、その代わり政府は財政規律をきちんとするということをやっていたでしょうから、結果はどちらかに大きく振れていたと思います。

Q.今回結果がわかった状態でもし2カ月前に戻れたら、石破首相にどんな助言を?
総理には度々「せっかく総理になったのだから、自分のやりたいこと、思うことをやってください。あまり人の意見を聞かずにしっかりやってください」というようなことを申し上げたり、テキストで送ったりしました。そこは、同じだと思います。

Q.党内の“石破おろし”の動きについてどうお考えですか?
「石破おろし」というより、自民党としてここから先何をやらなければ、自民党の再生ができないのかということが非常に大事なんだと思います。そういう意味で、今回の選挙で負けた、その前の総選挙も負けていますから、そう考えると、まず責任を明確にすることが大事だと思います。

Q.今の自民党でも、河野さんは首相になりたいですか?
それは、総理になればあしたには年金の抜本的改革を始めますし、給付付き税額控除をやりますし、クルド人に関する査証免除を停止するということができるわけですから、総理になって思っていることはやりたいというのは、これはもう政治家として、みんなそうではないでしょうか?
――もし新しい総裁を選ぶタイミングが来たらもう一度挑戦したいと思う?
すぐメディアはそういう話になりますが、その前に何が自民党として直さなくてはいけないのかということを、きちんと検証する。その上で、どういう人がやったらいいのかという議論がないと、ただの人気投票では自民党の再生につながらないと思います。
Q.ポスト石破首相は誰がふさわしいと?
これは、自公でいくのか、あるいは野党の連立政権になるのか、色んなことが考えられると思いますので、その前に今の日本が置かれている状況、国債の金利が上がるかも知れない、あるいは円が安くなるかもしれないなど様々な課題に直面している中で、これはもう国民の皆さんを含めて、日本として何をやらなければいけないのか、それをやるのは誰がいいのかはじっくり考える必要があると思います。

Q.自民党が掲げた2万円の現金給付は行うのでしょうか?(視聴者50代)
河野太郎氏:
私は実は反対でした。ただ、自民党でやるということを決めたもんですから、公金受取口座を使って、国として一刻も早く現金給付するために、どうしたらいいのかという作業はやっておりました。
ただ、自民党が今回、負けましたから、むしろ現金給付よりは「消費税減税」になっていくのではないかなと思っております。自民党としては、公金受取口座を使った給付をいかに年内早くにやるか、この準備はしております

――立憲民主党は現金給付プラス消費税減税を挙げていますが、両方はあり得る?
そこは野党の中では「消費税減税」というのは一致していますから、まずはそこを野党として統一案を作られる努力をされるのかなと思っています。
消費税減税と現金給付金をやるとなると、財政の悪化はさらに酷くなりますから、そこはどうするのか、議論しなければならないと。

Q.このような自民党にしたのは誰だと思いますか?(視聴者50代)
河野太郎氏:
やはり、自民党として断固として物事を進めることができなかったのが要因として大きいのだと思います。例えば、年金の問題もありました、これだけ年金が大きな問題を抱えているときに、抜本的改革に踏み込めなかった、あるいは物価高の原因である円安対策に踏み込めなかったのは、大きな問題なんだと思います。
そういう意味で私がもう少し力があればもう少しやれたかなとは思いますが、力不足だったというのが、要因のひとつと言われればそれはその通りだと。
(「サン!シャイン」 2025年7月22日放送)