ここからは取材に当たっている與古田記者とお伝えします。
今回の選挙戦はオール沖縄勢力が支援する高良さんと、自民党公認の奥間さんによる激しい選挙戦となりましたが高良さんの勝因はどのような所でしょうか。
與古田遼記者:
高良さんを支援するオール沖縄勢力は、これまでの選挙で基地問題を全面に掲げていましたが今回、「物価高」「基地問題」「多様性」という3本の政策を立てて選挙戦に臨みました。
街頭演説では「生活者」というフレーズを多用して物価高にあえぐ現状を変えようと、消費税の減税やガソリン暫定税率の廃止など、生活の負担を軽くする政策を全面に打ち出し、オール沖縄の支持層だけでなく無党派層からも広く支持を得ました。
高良沙哉氏:
高良鉄美先生からバトンを平和の一議席のバトンをしっかりと受け継ぐことが出来た。沖縄の声を国政にそして生活者の声を国政に届ける
稲嶺羊輔アナウンサー:
一方、敗れた奥間さんですが敗因はどういったところでしょうか。
與古田遼記者:
自民党は、去年の県議選で与党を少数に追い込むなど躍進しさらに、県内の市長選でも連勝を重ねて今回の参議院選は万全の態勢で望んでいました。
しかし、今回の選挙の開票結果を見てみると大票田の那覇をはじめ8つの市で、高良さんを下回る結果となりました。
奥間亮氏:
政策や県民の皆様に発信すること、思いが十分に浸透しなかったそういった自分の力不足だと思います
奥間さんはこのように述べていますが、政治と金を巡る問題をはじめ、全国的な自民党への逆風や、ひめゆりの塔など沖縄の歴史認識を巡る西田議員の発言などにも影響を受けた格好です。
Q西田発言もあったがどのように結果に響いた?
Aあまり分析とか調査は分からないのでデータ的なもの因果関係は分からないが、その直後には、当然、自民党おかしいんじゃないかという反応はもちろんあった
稲嶺羊輔アナウンサー:
投開票前には政府への怒りを表すような意見広告が地元紙に掲載されましたね。
與古田遼記者:
選対関係者の一人は「沖縄での自民党への逆風はあまり影響は無いと見ていたが本土議員の発言によって”一緒くた”にされてしまった」と振りかえっていました。
稲嶺羊輔アナウンサー:
さて、当選した高良さんですが沖縄の声を届けるということで基地問題の解決にも期待を寄せられていますね。
與古田遼記者:
沖縄テレビがJX通信と実施した情勢調査では、高良さんに投票したおよそ3割が基地問題と答えています。
高良沙哉氏:
辺野古の問題は進んでいて県民の間でも心に引っかかっている問題だと思います。日本の政治の中でその事の訴えが届かなかったとしても、国際社会を味方につけて基地の建設を止めていく新たな動きを起こしていく事も大事だと思っています
與古田遼記者:
高良さんは、このように述べ、選挙戦で訴えていた沖縄の声をしっかりと国会で訴えていくとしています。
稲嶺羊輔アナウンサー:
来年には最大の政治決戦、県知事選挙が控えています。オール沖縄と自民ともに知事選の前哨戦と位置づけましたが、今回の選挙結果は政局にはどのように影響するのでしょうか。
與古田遼記者:
玉城知事は現時点で3期目の出馬は表明していませんが、今回の勝利について来年の知事選にもつながる結果だという見解を示しました。
一方、敗れた自民党は県知事選も含めて県政奪還に向けて課題を洗い出して体制を再構築するとしています。
稲嶺羊輔アナウンサー:
ここまで與古田記者とお伝えしました。