今回の参議院選挙、鳥取・島根選挙区の投票率は57.51%で前回の3年前より4.52ポイント高くなりました。
県別では、鳥取県は55.04%で、前回を6.11ポイントアップ、島根県は59.57%で、前回を3.2ポイント上回りました。
有権者に話を聞くと、やはり関心の高さが伺えました。
街の人:
「結構SNSではいろいろ情報を見ていたので、関心はあった方かなという感じ」
「子供が安全に過ごせたりとか、金銭的な面でもみんなが助かる事業をしてもらえるとありがたいので、期待している」
物価高対策など国民生活に関わる課題が争点となり、関心を高めたようです。
また、若い世代に支持された参政党、れいわなどいわゆる“新興政党”が若年層の投票を促し、投票率の底上げにつながったことも考えられます。
投票率の向上は全国的な流れで、全国平均は58.51%と前回を6ポイント以上上回りました。
山陰両県も前回を上回ったものの、合区合計では全国平均に届かず、鳥取県に至っては3ポイント以上下回りました。
鳥取県の国政選挙の投票率が全国平均を下回ったのは、憲政史上初めてのことです。
山陰両県での投票率の伸び悩みについて、政治学の専門家は「合区の弊害」を指摘します。
鳥取大学・塩沢健一教授:
「今回が前回に比べれば、投票率が確かに高まったということはあるかと思います。しかし、それでも合区導入依然の水準にまでは回復していないということからすると、依然としてその合区の影響というのは残り続けている」
合区問題に詳しい鳥取大学の塩沢教授は、今回は、候補者全員が島根県を地盤に持っていたことから、鳥取県の投票率が思ったより伸びなかったと分析します。
塩沢教授は、今後も合区が続けば、投票率が上位常連だった山陰両県の投票率が下がり続けるのではないかと懸念します。
鳥取大学・塩沢健一教授:
「合区という制度が定着していく中で、有権者の関心の低下もまた定着してしまっている。合区選挙が今後、5回目、6回目に続いていくということになると、自らの県から代表を出せないという可能性があるというのは、今後も有権者の関心を高める上で、1つ大きな制約になってくるのかなと思います」
合区は早々に解消すべきという立場の塩沢教授は、いわば当事者である合区選出の国会議員が進んで、解決への道筋を示す必要があると指摘します。
鳥取大学・塩沢健一教授:
「当事者として合区選出の議員、あるいはその特定枠の議員も含めてですけれども、粘り強く働きかけていくということも必要ですし、鳥取選出の総理大臣としてきちんと働いていくということも必要かと思います」
その「当事者」である出川氏、舞立氏は20日夜、TSKの番組で合区解消への意欲を示しました。
舞立昇治氏:
「非常に合区は理不尽で不条理な制度だと思っておりまして、合区解消をできる限り早く実現することが一番だなというふうに考えています」
出川桃子氏:
「やはり自分たちのわが代表なんだっていう思いが、どうしても薄まってしまう。そのことは、やはり民主主義を維持していく上で、大変ゆゆしき事態だと思っております」