防衛省は18日、陸上自衛隊の「特殊武器(化学)防護隊」の一部の部隊における女性自衛官の配置制限を解除したことを発表した。
これにより、陸・海・空の自衛隊での女性自衛官の配置制限が完全に撤廃された。
陸上自衛隊では、有毒化学剤や放射能などに汚染された地域で活動する可能性がある「特殊武器(化学)防護隊」の一部の部隊で、「母性の保護」を尊重する観点から、女性自衛官の配置を制限していた。
しかし、東日本大震災の原発事故の際、被災者に衣服を脱いでもらった上で除染を行うことが必要であったが、被災地での除染は男性自衛官のみが実施可能であったことから、女性自衛官の配置制限の見直しが課題だった。
さらに、化学科職種の女性自衛官の中には、「特殊武器(化学)防護隊」の一部の部隊への配置を強く希望する隊員がいた。
このような状況を踏まえて、防衛省は、個人防護装備や車両等の装備品の性能の向上などにより、これまで以上に安全に偵察や除染活動ができることや、放射線の被ばく量が一定の基準を超えた場合において運用を制限するなど安全に配慮することで、女性自衛官が安全に任務を遂行できると判断。「特殊武器(化学)防護隊」の一部の部隊の女性の配置制限の解除を決定した。
これにより、陸・海・空自衛隊で女性自衛官の配置制限が完全に撤廃された。