7月20日投開票の参議院選挙。選挙戦の後半、岩手選挙区でも大物弁士が応援に駆けつけるなど各陣営が激しく火花を散らしています。
4人の候補の選挙戦を届け出順にお伝えします。
N党・新 吉田博信候補(59)
「サラリーマンは今『五公五民』と言われて、(所得の)50%が税金になっているという話もある。減税すべきだと考えている」
NHK党の新人・吉田博信候補、59歳。
公示前まで大手電機メーカーの社員でした。
N党・新 吉田博信候補(59)
「NHK党の吉田です。よろしくお願いします」
東京都在住で選挙活動のために岩手に通う吉田候補。
自ら選挙ポスターを貼りながら県内各地で遊説し、あらゆる税金の削減や不法移民問題の是正を訴えています。
N党・新 吉田博信候補(59)(吉田候補のYouTubeチャンネルより)
「農業・林業についても機械化を進める。または生産性を上げる政策・施策を取っていくべきと考えている」
また吉田候補は岩手にいられる時間が少ないこともあり、動画配信サイトやSNSも積極的に活用して、自身の政策を広めるという独自の戦いを展開しています。
立憲・現 横澤高徳候補(53)
「25歳までの健常者としての視点、この車いすから見える視点、両方の視点から社会全体をしっかりと捉え、国民の生活が第一の政治を実現する」
立憲民主党の現職でパラリンピックチェアスキーの元日本代表・横澤高徳候補、53歳。
共産や社民の県組織から支持を受けるなど事実上の野党共闘の態勢を整え、食料品の消費税ゼロなどの政策を訴えています。
公示日には県連の小沢一郎最高顧問が応援に駆け付け「野党共闘の原点は岩手にある」として、政権交代に向けた団結を強く呼びかけました。
立憲県連 小沢一郎最高顧問
「みんなの力を合わせてこそ初めて政権を取ることができる。この岩手県が全国のモデルとなって、横澤候補を国会にもう一度参議院に送っていただく」
また政治資金をめぐる問題で県連との確執が続く階猛衆議院議員も「個人的に支える」として街頭に立ち、応援のマイクを握りました。
立憲 階猛衆議院議員
「横澤高徳、私が全幅の信頼を置く、頼りになる、誇れる誠実な政治家」
さらに7月6日と13日には達増知事が横澤候補の遊説に同行。
達増知事
「新しい政治をつくっていく、その先頭に横澤高徳参院議員、そして進んでいくことができるよう、私、達増拓也からもどうぞよろしくお願いします」
多くの応援を力に2期目に向けてラストスパートを掛けようとしています。
参政・新 及川泰輔候補(46)
「私の会社員ながら立候補して参院選 国政に挑戦するという、その心意気をまずは皆さん感じていただきたいと思う」
参政党の新人で自動車部品製造工場に勤める及川泰輔候補、46歳です。
選挙戦に集中するため7月1日から会社を休職。
1日に5回から6回の演説を行う「草の根」戦術を展開し、消費税廃止や給付金による子育て支援などの政策を訴えています。
7月8日には盛岡駅前に神谷宗幣代表が駆けつけ、約400人の聴衆が集まりました。
その人数は神谷代表が5月に市内で演説をした際の約10倍で、党の勢いを感じさせます。
神谷代表は農業など1次産業を守るための政策を訴えました。
参政 神谷宗幣代表
「1次産業の人たちの所得を補償すること。収入もそれなりにあって豊かに暮らしていけるという状況を何が何でもつくらないといけない。それをつくれるのは自由競争じゃない、それをつくれるのは政治の力」
参政・新 及川泰輔候補(46)
「高級料亭に行って5万円 6万円のコース料理を食べて、国民の生活を決めるようなそんな政治家にはならない」
神谷代表は及川候補への期待をこう語っています。
参政 神谷宗幣代表
「きょうはもう堂々と演説をしていたので、これくらいしっかり訴えをまとめてくれれば多くの県民に届くなと思って、すごく頼もしく感じた」
自民・元 平野達男候補(71)
「給付金を活用しながら、物価高、皆さんの生活、乗り切るための後押しを強く進める」
自民党の元議員・平野達男候補、71歳。
出馬を表明後、県内を5周以上回り、物価高騰を上回る賃金の上昇やコメ農家の所得補償制度の整備などを訴えてきました。
公示日には岩手2区選出の衆議院議員で党本部の鈴木俊一総務会長が応援に駆け付け、農林水産省出身で初代復興大臣でもある平野候補の強みをアピールしました。
自民 鈴木俊一総務会長
「農政改革を必ずやり遂げる人物。災害に強い地域・国土づくり、大いに頑張るのが平野達男候補」
そして選挙戦折り返しとなった7月11日には石破総理が就任後始めて岩手入り。
平野候補が重点エリアに位置づける県南の奥州市で演説しました。
自民 総裁 石破首相
「初代復興大臣、百何十回も被災地に足を運んだ、被災地に行って一人一人の手を握って一緒に涙を流し、どうすればいいかを語れるのは平野達男」
また物価高騰対策として全国民に2万円、子どもなどにはさらに2万円給付する政策を約900人の聴衆に訴えました。
自民 総裁 石破首相
「本当に困っている人のために手厚くお金を届ける。消費税減税は1年かかる」
逆風の中、党本部の応援を得て“てこ入れ”を図る平野陣営。返り咲きを目指す戦いが続きます。
選挙戦も終盤。各候補が激しく火花を散らしています。
6年間、国政の場で働く議員を選ぶ投票日は7月20日です。