シリーズでお届けしている「みやぶれ!特殊詐欺」。
「金」を買わされて、だまし取られる詐欺の被害が増えている。
新たな手口にだまされないためには?
安全な資産運用だとして注目される「金」

平均買取価格はうなぎ上りで2025年は10年前の約3倍にまで高騰。

金の買い取りを行っている業者は…
「(取引の)数としては3年前に比べると2倍になっています」(ザ・ゴールド 札幌狸小路3丁目店 大西尚美店長)

犯行グループの手口は…
金の価格高騰を背景に増えているのが、「金を購入してほしい」という詐欺。
5月12日、札幌市中央区で一人暮らしの70代女性にかかってきた1本の電話。

「スマホが不正利用されています」
「警察から連絡があります」(いずれも犯行グループの女)
通信会社の社員を名乗る女からだ。

続いて千葉県の警察官と検事を名乗る男たちが…
「あなたは詐欺事件で1億8千万円を受け取ったことになっています」
「このままでは逮捕されます」
「あなたの全財産を調べなければなりません」(いずれも犯行グループ)

女性は言われるがままにSNSでやりとりをしますが、送られてきたのは…
「金を購入してほしい」
金のインゴット700グラム(1100万円相当)を購入するよう指示されたのだ。
購入目的を聞かれたら「金の価格上昇による投資」と答えるようにと言われた。

女性は指定された店舗で金を購入し自宅にやってきた警察官を名乗る男に、700グラムのインゴットと現金1700万円を手渡した。
その後も犯行グループは女性に1.8キロのインゴット(3120万円相当)を購入させ被害は計5920万円に上った。

なぜ「金」なのか?
「金」を購入させる手口は全国で増えている。
なぜなのか?
「金の場合、金融機関に被害の阻止が難しいといったことや、現金に比べて重さ、大きさも小さいので持ち運びがしやすいといった点も犯人の狙いと考えられます」(北海道警察本部生活安全部 西中智則警部)

こうした被害を防ぐため買取業者も対策を取り始めた。
「必ず聞くのは『いつごろ、どこで購入して、どういういきさつで、なぜ売るのか』。(金が)自分のものじゃないと受け付けない。査定もしないです。売却理由、購入先など全部確認するルールになっています」(大西店長)

金や現金を手渡してしまった札幌の70代女性。
最近では犯人と直接接触しないケースも相次いでいる。

東京の警察官を名乗る男から「あなたの口座のお金を調べる必要がある」などと電話で脅された北見市の70代女性は、自宅の玄関先に現金740万円を置くように指示され現金を取られた。
「あえて駐車場とかに置かせることによって直接顔を見られないようにするため」
「捜査のためにあなたの口座に入っているお金を調査する必要があるですとか、捜査の名目でお金の話が出たときは詐欺を疑っていただきたいと思います」(いずれも西中警部)
