今回の参議院選挙では外国人に関する政策を訴える候補者が目立っています。
これに合わせてSNSでは、外国人が生活保護で不当に優遇されているという情報が拡散されていますが、国はこの情報について、否定しています。
20日に迫った参議院選挙の投票日。選挙戦では、保守系の政党が外国人に対する規制を厳しくする政策を前面に押し出し、他の政党がそれを批判する動きが出ています。
【SNSより】「中国人の生活保護利用者が5年間で2倍に激増!」
こうした文言と共に、「外国人を優遇している」と批判する声も出ています。
■「外国人を優先しているということはございません」
この情報について、福岡資麿厚労相は否定しています。
【福岡資麿厚労相】「外国人を優先しているということはございません。世帯主が中国の国籍を有する被保護世帯の人員につきましては、2023年度は9471人でございまして、その5年前の2018年度の9059人と比較して、約400人の増加でございまして、2倍になったという事実はないと認識をしております」
■国民健康保険の未納額 SNS「外国人”年間4000億円”」も厚労相「全体で1457億円」
さらに、外国人の国民健康保険の未納額が「年間4000億円に上る」という書き込みも多くの人に読まれていました。
【福岡資麿厚労相】「令和4年(2022年)度の国民健康保険料の未納額につきましては、外国人に限らず全体で1457億円でありまして外国人の未納額が年間4000億円という情報は当方の認識とは異なっております」
このように管轄する厚生労働省が否定していて、SNSに書かれている数字は、誤りと言えます。
外国人に関する政策も参院選の争点の1つになっています。
関西テレビの神崎博報道デスクは次のように指摘します。
【神崎博報道デスク】「インターネット、SNS上で『外国人が優遇され過ぎちゃうか?』っていう書き込みが目立っています。市民に現状の政治とか行政に対する不満がある中で、『外国人が優遇されているのでは』という疑念を抱いて、そういった人たちのせいにしやすいところはあると思うんですよね。
また外国人問題に限らず、ネット上で根拠が示されていない情報や、不確かな情報もあるので、我々メディア側としても、そういった情報に対してファクトチェックをして、それが本当なのか、うそなのかを含めて、皆さんに提供して、投票行動に生かしてもらえるよう、続けていきたいなと思っています」
(関西テレビ「newsランナー」2025年7月17日放送)