高知県と徳島県では、17日夜遅くにかけて、線状降水帯が発生し、大雨災害が発生する可能性があります。

関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、徳島市からの中継で現地の様子を伝えつつ、片平敦気象予報士が解説。

片平気象予報士は「線状降水帯が発生すると一気に災害の危険性が高まるため、『うちは大丈夫だ』と思わずに、『うちも来るかもしれない』と思って対策を」と呼びかけました。

【堀田篤記者】
「徳島県徳島市、JR徳島駅前に来ています。午後1時50分ぐらいから、雨が降ってきました。こちらに30分ほど前についたんですが、そこからはほとんど雨が降っていない状況でした。傘を差している人もほとんどいないぐらい、そんな状況でした。ただ、いま本当にこの1分ぐらいの間で、雨が強くなってきた状況です。

実はきょう=17日大阪市内を午前中に出て、徳島の方に向かってきたんですが、その道中、徳島から北東の方にあります兵庫県の淡路島を通過している際にはですね、午後12時20分ぐらいに非常に強い雨が降っていました。車のフロントガラスを叩きつけるような強い雨で、前が見えなくなるぐらいの非常に強い雨が降っていました。

ただ雨が降ってたんですが、その雨も本当に数分で上がるというような、非常に変わりやすい状況が続いているということです。

高知県と徳島県では、きょう(=17日)これから夜遅くにかけて、線状降水帯が発生して、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があるとしています。

午後1時時点で、徳島県北部には大雨警報と洪水や強風、雷の注意報が発表されています。

また徳島県南部にも大雨や波浪注意報などが発表されています。

高知県中部では大雨警報と強風や波浪、雷の注意報が発表されています。また、高知県の東部西部にも大雨や波浪警報などが発表されています。

徳島県では17日夜遅くにかけて、局地的に雷を伴った非常に激しい雨の降る恐れがあります。
予想される1時間の降水量は多いところで、北部で50ミリ、南部で60ミリとなっています。これは滝のような大雨とも表現される降水量ということで注意が必要です。

先ほど徳島市役所に避難所の設置について問い合わせしたところ、「今のところ避難所は開設はしていない」と言うことです。ただ、「これから雨のピークの時間にかけて開設するかどうか、今協議をしているところだ」と言うことです。

(Q.強風の注意報が出ていますが?)
【堀田篤記者】
「風は今まさに、ちょっとこの時間強くなってきました。生ぬるい風が時折強く吹くという状況です。でも、この風も30分ぐらい前は全く感じなかったので、本当に今、急に天気また変わってきたなという状況です」

■『17日昼過ぎから夜遅くにかけ』四国地方に線状降水帯発生のおそれ

【青木源太キャスター】「線状降水帯が『17日昼過ぎから夜遅くにかけ』ということは、この雨はまだ始まりに過ぎないということ?」

【片平敦気象予報士】「そうなんですね。それまで急激に状況が悪化する恐れがあるんですね。この悪天をもたらすものは積乱雲、いわゆる入道雲なんですけども、この積乱雲の近くではもう短い時間にザーッと強い雨が降ったり、あと突風が吹いたりすることもあるんです。だけどちょっと離れたら影響がないという状況になるので、近づいてきた途端に急激に天気が悪くなるひどくなると。ですので、『今、大丈夫だ』という地域でも、この後急変する恐れがありますから、決して油断しないでいただきたいなと思います。

【青木源太キャスター】「急に雨が強い時間帯があって、すぐにまた止んで。こういうのを繰り返しながら、雨量が増えていくわけですよね」

【片平敦気象予報士】「ピンポイントで絞り込むのはまだ予報では難しくて、ですから徳島県や高知県で、線状降水帯が発生する恐れがあるという話なんですけども、その中でギュッと場所にあたってしまうと、一気に災害の危険性が高まりますから、『うちは大丈夫だ』と思わずに、『うちも来るかもしれない』と思っていただいて対策してほしいです」

【青木源太キャスター】「四国4県の中でいうと四国南部ということになるんですか?」

【片平敦気象予報士】「そうですね。東の方が中心という形ですね。高知県から徳島県にかけて、南の方も含めてですが、その中のどこに集中してくるか、あるいはもし線状降水帯にならなくても、大雨の危険性は変わりませんので、決して油断をしないでいただきたいと思います」

■新幹線は運転見合わせの発生も

そして交通機関にも影響が出ています。

東海道新幹線は名古屋と岐阜羽島の間で一時運転を見合わせました。

「土壌雨量が規制値に達した影響」だということで、この土壌雨量というのは、降った雨が土壌の中に水分量としてどれだけたまっているかを示す値です。

【片平敦気象予報士】「大雨警報で『土砂災害に気をつけてください』とお伝えするときも、まさにこの数字を使ってるんですね。雨がたくさん降る地域は、割と地面の中に雨が降っても平気ですけども、そんなに降らない地域は少ない雨でも危ないということで、各地域ごとに基準が違います。平たく言うとそれが『地盤の緩み具合』と。その地盤の緩み具合が、おそらくJRが決めている数字で、もう基準を超えてしまってるので、ここはちょっと走らせられないということで、止まったんじゃないかなというところですね」

■お出かけの際には、交通情報のチェックも欠かさずに

お出かけの予定がある方は、交通情報に注意が必要です。

【片平敦気象予報士】「刻一刻と気象状況と同時に変わってきますので最新の情報を確かめいただきたいと思います。

現在の雲の様子をご覧いただきますと、あえて見ていただきたいのが、雲がないところ。東の方がもうほとんど雲がなくてすっぽりと晴れていますが、関東も梅雨明け間近といったところなんですが、ここに夏の高気圧があります。

夏の高気圧のヘリの部分に、雨雲の材料の湿った空気の通り道、いわば湿った空気の川みたいなものがあるんですね。

これがちょうど位置しているのが、近畿、東海あるいは四国この辺りで、ここ(太平高気圧のヘリ)にぶつかってしまうと大雨になってしまうという状況です。

幅としては結構狭く、関東は晴れてる、福岡も晴れてる。でも、その間の地域だけ雨が降っているという状況になります。

しかも色が赤い表示のところもありますから、雨足が強まっているという状況です」

【片平敦気象予報士】「この後の雨雲の予想をご覧いただきますと、先ほど幅が狭いって申し上げたんですが、その中でも、線のように細いものがあって、ここにあたってしまうと大雨になるという状況です。

今、雨が強く降っている東海地方ですとか、四国のあたりでもこのあと雨雲がかかってきて、場所を絞り込むのはなかなか難しいんですが、こういった東海、近畿、四国あたりを中心に雨足が強まる恐れがあります。

これからまず東日本、東海地方までですが、東日本は今日いっぱいで、西日本はまだ明日にかけても雨雲がかかるということで、明日にかけて警戒が必要です。

やっぱり地面の中に水がたくさん染み込んでますので、土砂災害には厳重な警戒が必要ですし、低い土地の浸水、アンダーパスの浸水、あとは特に中小の河川だと思いますが、急速に増水して溢れてくる恐れもあります。

こういう崩れそうな場所、水がつかりそうな場所、溢れそうな川これが家の近くにあるという方は、自分の近くで災害が起きるかもしれないと思って対策をしていただきたいです。

あと先ほどからお伝えしていますが、線状降水帯発生の可能性が徳島県と高知県ではあります。これが発生すると災害の危険性がさらに急激に高まる恐れがありますから、厳重な警戒をお願いしたいところです」

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年7月17日)

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