シリアの首都ダマスカスを空爆しました。
イスラエル軍は16日、シリアの首都ダマスカス中心部の暫定政府の軍司令部などを攻撃したと発表しました。
イスラエルが保護するイスラム教ドルーズ派への攻撃を指揮した拠点だとして、攻撃を正当化しています。
シリア国営通信によりますと、この攻撃で3人が死亡、34人が負傷しました。
シリア南部では、13日からドルーズ派と遊牧民ベドウィンの武装勢力が衝突し、約360人が死亡していて、シリア暫定政府は現地に軍を派遣しています。
これに対し、イスラエル軍は「シリア軍がドルーズ派を攻撃している」として空爆を続けるなど、事態の沈静化は見通せていません。
宮司愛海キャスター:
生放送中に空爆が行われていることからも意表を突いた攻撃だったのかということも感じ取れますけど、イスラエルはなぜシリアの国防省を狙って空爆したんでしょうか。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
国防省ってシリアの中枢ですよね。「象徴的な存在をイスラエルは攻撃できるんだ」ということを、とにかくイスラエルの力を見せつけたかったのが1つの思惑だと思いますね。
宮司愛海キャスター:
そして、イスラエル軍が「少数派のイスラム教ドルーズ派を保護するための攻撃だ」としていますが、イスラエルの意図はどうみますか?
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
ドルーズ派を保護というのは口実だと思います。ただ、ドルーズ派はイスラム教シーア派の分派の1つで、ただ、教えはコーランの教えに従っていなくて、どちらかというとイスラム教徒ではないと言われている人たちなんです。異端と言われていて。イスラエル国内にもいて、彼らは徴兵の義務を負っていて、イスラエル軍にとってみると、ドルーズ派は自分たちの身内という存在なんですね。ですから、それを保護するということですが、シリアが今新しい国づくりを始めている。これまでテロ支援国家と指定を受けていたり、あるいは政策を受けていたんですが、アメリカやヨーロッパが中心となって、それを解除して国づくりが進んでいるんです。その国づくりが“イスラエルにとって安全が確保できる国づくりになるかどうか”というのが、イスラエルにとっては大切なところなので、それでいうとアメリカヨーロッパも含めて、自分たちの力を見せつけるのが今回の狙いだと思います。
宮司愛海キャスター:
ある種プレッシャーをかけているというところなんですね。今回の攻撃が中東に影響を及ぼす可能性はありますか?
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
それはあまり大きくないと思います。シリアに強く影響力を持っていたイランの影響力がかなり相対的に落ちてきていますから、しばらくは静観という形になると思います。