オンラインカジノの規制を強化するため、警察庁は9月から、サイトや広告などを「違法情報」とし、削除要請を始める方針を公表しました。
オンラインカジノのウェブサイトを開設・運営することや、SNSなどを通じて利用を誘導する行為は、9月25日に施行される改正ギャンブル等依存症対策基本法により禁止され、違法となります。
これに伴い、警察庁は「インターネット・ホットラインセンター」の運用指針を改定し、オンラインカジノサイトの広告運営者などに対し、「違法情報」として削除要請の対象とする方針を公表しました。
改定案では、オンラインカジノのURLを記載したり、「おすすめ」などの表現で誘導したりするような場合、「違法情報」になるなどとしています。
どういったものが削除の対象となるのか見ていきます。
例えば、「オンラインカジノで賭けることが可能」「そのため入金が必要」といった文言があるような広告。
さらには、「実在するオンラインカジノ名を掲示」していたり、「サイトに誘導するような情報の掲示」がある広告は削除要請の対象になるということで、サイトの管理者やSNSの事業者に対して削除を要請していくということです。
オンラインカジノは、①SNS等の広告などを見て登録、②オンラインカジノサイトを通じて入金、③ゲームをプレー、④勝った場合は出金手続きという流れになっていて、②の入金するという時点ですでに賭博をしている違法の状態になっています。
国内でのオンラインカジノサイトの経験者は約336万人。
国内の年間の賭け額が約1兆2423億円ということで、かなり膨大な数に上っていることが分かります。
今回の規制では、①の広告の部分を強化するということです。
実際にオンラインカジノを巡って警察の捜査を受けた人からは、「インターネットに広告があったことで違法ではないという認識をしてしまった」という声や、「広告で『認証をもらっているカジノサイト』と記載されていたので違法ではないと思った」といった話があったということです。
また、警察庁が行った実態調査では、オンラインカジノサイトに接続した人のうち約75%もの人が実際にお金を賭けてしまったということが分かっています。
青井実キャスター:
柳澤さん、こうやって見ると広告から導入部分があることは分かるんですけども…。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
効果は限定的だと思います。本気でやりたい人は違法性があることが分かったうえでもやるし、広告のありなしにかかわらずやると思うんです。ですからアクセス自体をできないようにしないと、なかなか効果は期待できないような気がします。
サイトそのものに対する規制の動きは進んでいて、そういったものを「ブロッキング」といったりします。
いわゆるオンラインカジノサイトへの接続を強制的に遮断するようなものですが、この「ブロッキング」に関しては、すでに有識者会議で検討課題として挙がっています。
ただ、「ブロッキング」は憲法が保障している「通信の秘密」を侵害するといった指摘もあり、今後どういうふうになっていくのか検討していくということです。
青井実キャスター:
柳澤さん、ブロッキングを導入していくと、これはどう考えますか?
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
踏み込まざるを得ないところだと思いますが、気をつけなきゃいけないのは、例えば中国のように、政府にとって都合の悪い情報にアクセスできないようなことになってしまう、そういう入り口になってはだめだということだと思うんです。それと公営ギャンブルはいいけれどオンラインカジノはだめだという、ギャンブルには違いがないわけで、賭け事をする立場からすると、何がどう違うのかを分かりにくくしてる部分があると思います。
青井実キャスター:
その辺の線引きも明確にした方がいいということもありますね。
警察庁はこの改定について、18日から意見募集を行うということです。