これから宮崎県内は大雨や台風のシーズンを迎えます。
この時期に気をつけたいのが、大雨の日の車の運転です。
見た目には分からない冠水した道路に潜む危険とは。
冠水した道路を走る車の実験映像です。
水深60センチの道路を時速10キロで走ります。
最初は走りきれそうに見えましたが、約30メートル進んだところで停止してしまいました。
(JAF宮崎支部 推進課 三善博昭さん)
「大体の目安ではあるが、車の前のバンパーの下あたり、もしくはタイヤの半分あたりまで水位が達しているところを走ると危険ですので注意してください」
「水深が大体30センチを超すと、水が車のエンジンに入り、車が止まる可能性がありますので注意が必要です」
また、先ほどの映像をもう一度見てみると、運転席からは水深が60センチあるとは認識できません。
(JAF宮崎支部推進課 三善博昭さん)
「冠水した道というのは、水が濁っていて中の状況がよくわからない。もしかしたら水深が深いかもしもれないですし、道路の状況がよくわからないため危険です」
特に気をつけたいのが…
(中村真菜記者)
「こういったアンダーパスは、雨の日にどのくらい水が溜まっているか分かりづらいので大変危険だということです」
国交省九州地方整備局によりますと、県内にはアンダーパスが34カ所あり、その多くが宮崎市に集中しています。
冠水した道路での危険は他にも・・。
(中村真菜記者)
「冠水した道路で止まってしまった車のドアを開ける際の疑似体験ができるということで、私もやってみたいと思います」
道路が60センチ冠水した時と同じ水圧がかかっているドアを必死に押しますが…
「全然開かないです。座った状態なので力を入れようと思っても十分な力が入りません」
水深何センチまでドアは開くのか
水深30センチの道路で車が止まってしまった際の実験映像では、簡単にドアを開けることができましたが、水深60センチでは、1分以上ドアを押しても水圧によって開けることができませんでした。
このような場合は「窓を割って脱出する」必要があります。
(JAF宮崎支部推進課 三善博昭さん)
「だいたいこの窓の隅あたりを狙ってドンっと叩けば割れます」
「力を入れる必要はなく、叩けば割れるようになっています」
三善さんによると、傘やヘッドレストなどで窓ガラスを割ることは難しいため、緊急脱出用のハンマーを車に常備しておくことが望ましいということです。
大雨の時の車の運転には、事前の情報収集と日頃からの備えが大切です。
(JAF宮崎支部推進課 三善博昭さん)
「まずは天気予報を確認したり、ハザードマップを確認したりと、情報収集をすることが必要」
「自身が通る道にアンダーパスや危険な箇所がないかというのを確認した上で、日頃から意識をもっていただくことが必要だと思います」
2003年から2023年の記録を基に大雨などで冠水が想定される箇所は、「道路防災情報Webマップ」で公開しています。