大規模な山林火災で大きな被害が出た岩手県大船渡市三陸町に、盛岡市と奥州市の企業が防火水槽を無償で設置することになりました。地域の防災力の強化が期待されています。
防火水槽一式を無償で贈ったのは、盛岡市の小山田工業所と奥州市の大和重機で、7月16日は2社の社長が大船渡市の渕上清市長に目録を手渡しました。
贈られた防火水槽は、地中に埋めるタイプで、40tの水を貯めることができ、本来の設置費用は1000万円以上かかるということです。
今回の山林火災では防火水槽などがない地区で、消防車が海から2km近くホースをつないで消火に当たった事例もあり、渕上市長は「防災対策を一層強化していきたい」と感謝の言葉を述べました。
防火水槽は2026年3月、市内の綾里地区にある県有地に完成する予定です。
今回の山林火災を巡っては、総務省消防庁が15日に「市内赤崎町の水産加工会社で使っていたまきストーブの火の粉が煙突から飛散した可能性がある一方、出火原因は特定できなかった」との報告書を示しました。
これについて渕上市長は「特定に至らなかったが、 結果として受け止め、さらに予防に徹する意を強くした」と話し、再発防止のため今後も市民の啓発に取り組みたいと述べました。