行為は非常に悪質
2025年7月14日。広島地裁で開かれた判決公判。傍聴席は満席となった。
広島地裁の櫻井真理子裁判官は、「被告らは虐待を疑われるなどと考えて受診を先送りにし、被害者の食事を断続的に抜き続けており、行為態様は非常に悪質で危険性が高い」と指摘。
虐待行為については、和弘被告が主導したことを認めながらも、瞳被告は「和弘被告の指示に従った面もあるが、指示に従わない余地は少なからずあった」と指摘した。
その一方で、「和弘被告、瞳被告とも罪を認めて反省し、謝罪と更生の言葉を述べている」として、懲役5年の求刑に対し、和弘被告に懲役3年6か月、瞳被告に懲役3年の実刑判決を言い渡した。
判決文が読まれている間、和弘被告は終始落ち着かない様子を見せ、瞳被告は裁判官の方をまっすぐ見つめていた。

被害者の長男と被告の2人は「親子」であり「家族」だ。加害者の2人も「親子」だった。いつか再び、一緒に暮らすこともあるのだろうか。
子どもにとって「家族」とは…誰が子どもを守り育てるのか…。同じような過ちが2度と起こらないことを祈るばかりだ。