航空機の通信などに影響を及ぼす高度100キロ付近の領域を観測するロケットが、15日、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。
春山たかよ記者
「一度延期になった観測ロケットの打ち上げ。きょうは平日ですが大勢の人が訪れその時を待っています」
肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたのは、小型の観測ロケット「S-310」46号機です。
「スポラディックE層」と呼ばれる上空の領域でデータを収集するのが目的です。
スポラディックE層は高度100キロ付近に出現する目に見えない金属でできた雲のようなかたまりです。
電波を反射するため無線が混信し、航空機の通信に影響を与えることがあります。
当初、7月8日に打ち上げられる予定でしたが、スポラディックE層が十分に発生せず延期されていました。
肝付町の見学場には県外からも大勢の見物客が訪れ、歓声をあげながら見入っていました。
打ち上げを見た子供
「かっこよかった」
「『ボー』って音がした」
見学者
「早いですよね。あっという間でした」
「最高です。それしか言いようがない」
15日の打ち上げで、ロケットは所定の高度まで上昇してデータを取得し、打ち上げは成功しました。
JAXA観測ロケット実験グループ・羽生宏人グループ長
「無事に実行できたということでほっとしているのが率直なところ」
京都大学大学院理学研究科・齊藤昭則准教授
「(スポラディックE層)がどうして現れるのかその仕組みを解明できれば。その次にこれから、あす起こるかあさって起こるのかを予測できるようになりたい」