東京・東村山市にあるバイク店のオーナーが、6月下旬ごろから雲隠れ。
このまさかの事態を受け、警察には100件近い相談が寄せられています。

14日、問題の店の前で、被害を訴える男性2人が取材に応じました。

被害を訴える宮下さん:
被害者の会が140人くらい。今ライングループできてるけど、電話も通じないしメールも通じないし、我々からはどうしようない、アプローチができない状態。

雲隠れしているというのは、バイクの修理・販売店「多摩サイクル」のオーナーです。

中をのぞくと、ついさっきまで営業していたかのような状態になっており、電光掲示板はまだついています。
中は暗くて、人の気配はありません。

利用者から相次いでいるのは、「購入したはずのバイクが納車されない」などの被害相談。

Aさんは、2024年12月に新車のバイクを購入したといいます。

被害を訴えるAさん:
私が購入したのはこの黒いものだったんですけど、90万円ぐらいをそのまま現金一括で支払って、そのまま商品が来ない。

当初は、2025年2月には納車されるという話でしたが…。

被害を訴えるAさん:
一向に年明けても連絡がまずなく、私から連絡をしたら「納車がまだてきてない」という話で、理由としては「人が辞めた」と「整備の方がいなくなっちゃった」もしくは「(メーカーに)取りに行けない」みたいなことを毎月繰り返して。

Aさんは店側に念書を求めるなどして、繰り返し納車を催促したといいます。

それでも納車されないまま、突然…。

被害を訴えるAさん:
ここの「お休みします」が6月の20、21日くらいから貼られていて、こんなもぬけの殻というか、状態になっている感じ。

Aさんの話では、被害を訴えているほとんどが新車の購入者。
中には220万円を支払い済みの人もいて、現在の被害総額は約3200万円に上るといいます。

また、修理を依頼したバイクが戻ってきていないという人もいます。

被害を訴える宮下さん:
真ん中の1300ccのバイクなんですけど、あれがちょっと調子が悪くなったので、修理に持っていきました。(Q.あのバイクがまさに?)はい。手付けの修理代10万円先に払って、ぼちぼち進めますってことだったんですけど、4カ月経過し、さすがにちょっとおかしいなと思ってネットで調べたら“夜逃げ”ってワードが出てきて。

消えたバイク店のオーナーは今、どこにいるのでしょうか。
自宅を訪ねてみました。

付近の住民に聞くと、バイク店のオーナーはこの家で妻や子供と暮らしていましたが、先週の土曜日ごろから人けがなくなったといいます。

その前には、ある光景も目撃されていました。

近隣住民:
1週間前(自宅に)パトカー来てましたから。その時は奥さんたちもいたから、しゃべっていらしたから。

バイク店のオーナーらの人柄については、「すごく感じのいい人たち。うちも昔からの知り合いだから。うちの孫もあそこで(バイクを)買ったから、昔。すごくサービス良くしていただいて」と話します。

バイクが戻らない被害を訴える宮下さんは、現在の胸の内を「怒りより悲しいというか、悲しみの方が大きいですね。バイク好きな人に僕らもだまされたのが。許されるなら今ガラス割って持って行きたいぐらいですけど。ちゃんと手続きを経て取り返します」と明かします。

消費者問題に詳しい中村弘毅弁護士によりますと、今回のケースでは、バイク店が販売や修理をする意思がないのにもかかわらず偽って料金を支払わせていた場合は、詐欺罪に当たる可能性があるということです。