北海道福島町の街中をウロウロしているクマ、事態はより深刻さを増している。
クマが荒らしたと思われる痕跡が
「クマが体当たりしたとみられています。扉は固い材質なのですが、変形してしまっています」(阿部空知記者)

扉がひしゃげた物置…7月14日午前8時ごろ、福島町のスーパーでごみ置き場の物置の扉が破壊され、生ごみなどが入ったごみ袋が散乱しているのが見つかった。
ケガ人はいなかった。
警察によるとクマの毛のようなものが付着していたということだ。
現場の隣には高校があることなどから不安が高まっている。

そしてこれは14日朝、福島町の住宅で見つかった痕跡だ。
玄関から中をのぞこうとしていたのだろうか。
ガラス戸にクマのものとみられる足跡が見つかった。

近くにあった鉢植えからは土がこぼれていた。

さらに別の住宅では―
「(ゴミが周囲に)ごちゃごちゃになっていた食べ物を探していたのか」(家庭用コンポストが荒らされた女性)
生ごみを入れて肥料を作る家庭用コンポストが荒らされていた。
これらの痕跡は福島町月崎地区の中学校近くで見つかり、クマが出没してハンターが出動した。

男性が襲われた現場付近では14日も道総研の研究員が調査に入り、クマのDNAやフンなどの痕跡を調べている。

福島町の小学校では
クマが駆除されていない中、小学校では…
「小学校では保護者の車による送り迎えが行われています」(川瀬雄也記者)

福島町では子どもたちが保護者などが運転する車で、学校に通学した。
「子どもたちが外で遊べないのは厳しい」(保護者)
「クマが怖いと声をかけてくれた子どもが複数いる。外での活動は中止」(福島小学校 長浦紀華校長)

クマから身を守る方法とは
福島町内を徘徊するクマ。なぜ人の生活圏に入り込んだのか。

クマの生態に詳しい専門家は…
「(今回人を襲ったクマは)少し前に町に来てゴミをあさっていたと聞いているので、最初はエサを探してうろうろしている間に市街地に来て生ごみがあってそれを荒らしたのだと思う」
「1回それを覚えてしまったということで市街地にいれば何かいいことがあるということで数日後に出てきて、たまたま犠牲になった人と出くわして襲ったということだと思う」(いずれも北大獣医学研究院 坪田敏男教授)
襲われた男性は玄関先で突然、クマに襲われた。

クマの恐怖が続く中、住民たちが身を守る方法については―
「いったんクマが市街地や人里に入り込んでしまうと普段の常識が通用しない。いくら鈴を鳴らしても市街地の中でクマがいれば人を襲ってしまうことも十分にある」

「不要不急の用事であれば出歩かない方がいい。特に朝や夕方、クマが活動を活発にする時間帯は1人では出歩かない方がいい」(いずれも坪田教授)
町によると駆除にむけて13日まではハンターが3人態勢だったが、14日は新たに2人が加わり5人で警戒に当たっている。

さきほど取材に応じた道総研は―
「おおまかに見て2種類ぐらいの足跡で、大型のものと小型のもので計測」
「少なくとも2種類見つかっているので、確実に2頭以上は出没していたことはわかります」(道総研 釣賀一二三さん)
