天皇皇后両陛下は13日、8日間にわたるモンゴルへの公式訪問を終えて帰国し、御感想を寄せられました。以下、全文を掲載します。
天皇皇后両陛下の御感想(モンゴル御訪問を終えて)
令和7年7月13日(日)
この度、モンゴル国から国賓として御招待を頂き、二人で同国を訪問できたことをうれしく思います。フレルスフ大統領御夫妻には、歓迎式典や晩餐会など、心をこめて御準備くださり、また、ナーダムの開会式をはじめ弓射やシャガイ、競馬など様々な競技を御一緒頂き、素晴らしいおもてなしを頂いたことに深く御礼を申し上げます。また、行く先々でモンゴルの方々に温かく迎えて頂いたことは、うれしく、有り難いことでした。モンゴル国政府・国民の皆さんの御厚意に対し、心から感謝いたします。

今回、歓迎式典や晩餐会、ナーダムの開会式や競技を通じ、また、ガンダン寺やホスタイ国立公園などを訪れ、モンゴルの豊かな歴史・文化や素晴らしい大自然を肌で感じることができました。また、平成19年に訪問した時から、経済発展などに伴いモンゴル社会全体が更に力強さを増したように感じました。日本の様々な支援・協力が発展の一助となっていることを、モンゴル日本病院やガチョールト水源などを訪れて実感することができたこともうれしく思います。

また、今回の訪問を通じ、我が国とモンゴルの人々の間で長年にわたって培われてきた友好親善の歩みについて理解を深めることができました。日本とモンゴルの交流に様々な形で携ってきた幅広い年代の方々に直接お会いしてお話しする中で、両国の友好親善関係が人々の交流を通じて深まってきたことや、モンゴルの人々が日本に対して温かい気持ちを寄せて頂いていることを実感し、うれしく思いました。ウランバートル市第149番学校、モンゴルコーセン技術カレッジなどにおいて、モンゴルの若い人々や子どもたちと交流することもできました。若い世代の人々が、今後もお互いの国に対する関心を深め、両国の相互理解と友好親善に大きな役割を果たしていくことを期待しています。

日本人死亡者慰霊碑に供花し、心ならずも故郷を離れた地で亡くなった方々を慰霊し、その御苦労に思いを致しました。また、モンゴル赤十字社の方々などが慰霊碑を大切に維持管理して頂いていることを有り難く思いました。先の大戦で亡くなられた方々のことを忘れず、過去の歴史に対する理解を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと改めて思います。

今回、初めて二人でモンゴルを訪れ、とても思い出深い訪問となりました。この訪問を準備して頂いた日本とモンゴル双方の多くの関係者の皆さんの尽力に深く感謝いたします。この度の訪問により、両国の国民の相互理解が更に深まり、日本とモンゴルの友好親善と協力関係がより一層進展することを心から願っています。