一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。
今回は大阪市阿倍野区の昭和町を舞台に、平成15年に撮影された街角の写真から、街の変化と魅力を探ります。
【兵動大樹さん】「もう写真尽きてきたん?こんなん普通の街のワンシーンやん」
2003年(平成15年)に大阪市阿倍野区で撮影された写真です。
■全国初の長屋「登録有形文化財」
街を歩く中である長屋を見つけます。
その長屋は大正時代に建築された戸建て住宅の典型で、和式の建物に洋式の応接間を玄関廊下に設けるのが当時の流行だったそうです。
その住宅は国の「登録有形文化財」に指定されていました。
元々は賃貸マンションとして建て替える予定だった木造長屋でしたが、大家の寺西さんが昭和初期の貴重な住宅であることを知り、大阪府の文化財保護課に相談。長屋としては全国で初めての「登録有形文化財」となったのです。
大阪の中心部が空襲で焼けたのに対し、南東部に位置する阿倍野区昭和町は空襲から免れ、多くの長屋が残されたのです。
■地元で愛される精肉店で立ち寄ると
JR南田辺駅方面へ歩いていくと、昭和町二丁目商店街「あきんど村」を発見。
そこで兵動さんは地元で愛される精肉店に立ち寄りました。
自慢の大きなジューシーミンチカツをいただくことに。
【兵動大樹さん】「めちゃくちゃ美味しい。噛んだ瞬間に肉汁が出ますね」
■オリックス・廣岡大志選手の実家でもある「広岡精肉店」
この店はオリックスの廣岡大志選手の実家で、野球の試合がある日には多くのファンが訪れるそうです。
広岡精肉店で、写真の手がかりも聞いてみると、「JR南田辺駅の近くにピース通りがあるんですけど、そこでは」とのこと。
■長屋をリノベーションした建物にたどり着くと…
教えてもらったエリアを訪れると、お弁当屋さんを発見します。
「おばんざいはこべら」では、有機農業で育てられた旬の野菜を使ったお弁当を販売しています。
この建物は長屋をリノベーションしたもので、店主の伴さんの夫は2階で設計事務所を経営し、長屋のリノベーションにも携わっているといいます。
伴さんに写真を見てもらうと…
【店主・伴縁さん】「ここがうちです。私らが引っ越してきた時は隣はまだ酒屋さんやったんで」
なんとこのお店こそが、写真に写っていた建物だったのです。
■長屋暮らしの魅力は
長屋暮らしの魅力について、店主の伴さんは次のように語ります。
【店主・伴縁さん】「都会にいながらも季節感を感じられるような。長屋のデメリットって言ったら壁が一緒なんで、声とかが抜けたり、古い日本家屋なんで、寒かったりっていうのはあるんですけど。寒いのも暑いのも季節。隣同士のお付き合いが近く感じる」
実は写真より昔の姿に戻っているという桃ヶ池長屋。大阪・阿倍野区に残る昭和の記憶が、新しい形で受け継がれています。
桃ヶ池長屋は4軒長屋。2005年頃から徐々にリノベーションされ、現在は個性豊かな4店舗が入居しています。
最初に入居したのは食器のセレクトショップで、その後スイーツが評判のカフェバーや手作りの布製品店なども開店しました。
【兵動大樹さん】「いつも(の今昔さんぽ)は写真のほうが古いんです。これは写真より古くなっている?」
【店主・伴縁さん】「見た目は古い感じに。大家さんの意向で長屋らしい感じに」
【兵動大樹さん】「長屋をリノベーションして、美味しいご飯屋さんとかいっぱい入ってますから。昭和町熱いですね!」
(関西テレビ「newsランナー」 2025年7月4日金曜日放送)