関東地方に激しい雷と猛烈な雨をもたらした10日の記録的な豪雨。
一夜明けた11日、その爪痕を探して東京都内を取材すると、10日は氾濫の危険もあった目黒川は水の量も流れも落ち着き、普段の景色を取り戻していました。
東京・杉並区にある阿佐ヶ谷駅周辺の映像では、道路が冠水し川のようになっているのが分かります。
店が浸水した人は、「外が川みたいになってて、入り口の隙間から入ってきた。水はここまで上がらないくらい。店はずっと休んでいるが、今日みたいな日だと営業できない」と話します。
歩行者の足首ほどまで冠水していた道路。
11日、取材するとすっかり引いていました。
また、車が通れないほど冠水していた渋谷駅周辺も、10日の雨がうそのように冠水は解消。
街の人も「一日でこんなに乾くんだなと思った」「誰か片付けたのかな?」「見たところ目立つようなごみもない。キレイ。なんでなんですかね」と驚きを隠せません。
ひと晩で普段どおりの街並みに戻った東京都内。
復旧が早かったのには理由がありました。
フジテレビ災害対策チームの山口吉博部長は、これまで整備されてきた排水機能などの効果だと指摘します。
フジテレビ 災害対策チーム・山口吉博部長:
都内ではゲリラ雷雨や台風などの集中豪雨から街を守るため、「雨水の貯留施設」や「調節池」といったさまざまな浸水対策をしています。
都心の排水能力、その1つが雨水の貯留施設。
すり鉢状の地形で、これまで豪雨の際は冠水被害が相次いだ渋谷駅周辺。
しかし、2020年に渋谷駅東口の地下に約4000トンの雨水をためることができる貯留施設が完成。
1時間に50mmの雨で稼働し、今回も冠水被害を最小限にしたといいます。
フジテレビ 災害対策チーム・山口吉博部長:
一時的な冠水は排水能力を超える雨量が降ったためと思われます。その後、貯留施設が稼働したことで、しばらくして冠水は解消されました。
そして、もう1つの強化された排水能力が調節池。
水位が一定以上増えると川の側面に水が流れ込み、地下などにある調節池へと行きます。
フジテレビ 災害対策チーム・山口吉博部長:
東京都内には川の水位が高くなると水を逃がす調節池が29あり、きのうは目黒川も含めて14の調節池が稼働しました。
今回も調節池が稼働し、増水した水を一時的に取り込んだことで川の氾濫を防いだということです。