参院選の候補者5人の訴えを主な争点からひもとく企画、10日は価格高騰が続く「コメ」について。「コメ政策」と「5キロ当たりの適正価格」を聞いた。

<県選挙区立候補者>※届け出順
無所属の現職・芳賀道也氏(67)
参政党の新人・佐藤友昭氏(52)
自民党の新人・大内理加氏(62)
共産党の新人・三井寺修氏(45)
政治団体・NHK党の新人・大貫学氏(67)

今、コメの価格は全国的にかつてないほど高値となっている。

2024年5月の時点で、小売店で販売されるコメ5キロの平均価格は約2100円だった。
それが1年後の2025年5月には4285円と、価格は2倍以上…過去最高値となった。

その後は政府備蓄米の放出もあり少しずつ値下がりしているが、6月末で3672円と依然高値が続いている。

コメどころの山形。
参院選県選挙区の5人の候補者は、「コメ政策」「コメの価格」についてどのように考えているのだろうか。

(無・現/芳賀道也氏)
「科学的な分析を行いどのように食料を守るか・増産できるか。コメの値段は市場が決めるなら再生産のための農家の意欲も含め収入を補償する。そこを実現しないと食料不足がいつ起きるかわからない。農家の高齢化・意欲の減退もあるためしっかりとあらためていく」

芳賀氏に“コメ5キロ当たりの適正価格はいくらか?”を聞いたところ、具体的な金額の回答はなかったが、「農家が生産を続けられる価格が望ましい」としていて、農家の生産意欲を持続させるため収入補償をすべきと訴えている。

(参・新/佐藤友昭氏)
「自分たちの食べ物を自分の国でつくることは国防。戦争や疫病が起きると安定供給ができない。新規農業者支援・価格保障で農家にいっぱい作ってもらう。食料自給率をもっと上げ、2050年までに食料自給率100%を目指す」

佐藤氏が考えるコメの適正価格は、5キロ当たり約2000円。
「消費者の負担を考えこれまでの価格を維持する」とした一方で、国として農家が再生産できる支援を行うよう訴える。

(自・新/大内理加氏)
「これ以上米価を下げてはいけない。農家が来年・再来年も安心してコメを作れる環境。再生産可能な価格が前提。それを消費者が理解し納得する価格が適正価格。その価格を導き出し、その環境を作るのが私たちの仕事」

大内氏は、コメ5キロ当たり3000円台が適正価格と考えている。
「コメの高騰は課題が多いが、生産者が安定して農業を続けるためには再生産ができるだけの価格は必要」としている。

(共産・新/三井寺修氏)
「価格保障と所得補償で農家が安心してコメを作る。市場任せの経済を国の責任で価格維持し安定供給を行っていく」

三井寺氏は、コメ5キロ当たり約3000円が適正価格と主張。
「再生産が可能な価格として5キロ当たり約1600円の農家の手取りが必要で、これに精米・流通の経費と資材高騰分を足したのが消費者価格3000円だ」としている。

(N党・新/大貫学氏)
「10~30年先に核戦争が起きたり放射能が風で流れてくると、コメが作れなくなるかもしれない。作れる時には全部作り全部備蓄する。国がそうすべき」

専業農家でもある大貫氏が考えるコメの適正価格は、5キロ当たり2500円。
「自分で作ったコメは、5キロ当たり約2500円で業者やJAに販売している。5キロ3000円台になると、消費者にとっては高すぎる」と考えている。

参院選の投開票は、7月20日。

さくらんぼテレビ
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