ここからは連日お伝えしている参院選特集。今回は長引く令和の米騒動についてです。コメ農家は昨今の状況に何を思うのでしょうか?

朝からスーパーの周りに集まった人・人・人。

行列の先にあるのは備蓄米です。

来店客:
(子供が)2人いて、高校生は毎日お弁当だし、下の子は男の子で部活でお腹が空いてしまうので、やっぱりコメは必要

来店客:
備蓄米がおいしければそれで十分。だけど銘柄米も安くなればそれがいい

随意契約によって備蓄米は以前より広く流通するようになったものの、いまだ終わりの見えない令和の米騒動。

農林水産省によりますと、全国のスーパーで6月29日までの1週間に販売されたコメの平均価格は5kgあたり税込みで3672円と前の週から129円値下がりしました。

これで6週連続値を下げましたが、それでも2024年と比べて高くなっています。

10代:
安いコメが簡単に手に入るような売っている状態を見ていないので、いつでも安いコメを買える状態が続いていけばいい

10代:
コメが段々高くなってきていて、自分もコメを食べる方で安くしてくれるのはすごくうれしいので(備蓄米の放出を)続けてほしい

40代:
価格が下がっていることは評価しているが、農家の話を聞くと収入が足りていないという話を聞くので、根本的なところを解決した方が良いのではないかなと思う

70代:
頑張ってこれを維持してもらえたら、本当に小泉農水相の政策が成功したのではないかと思う

60代:
価格自体は安くなってきたと聞くので、それなりに評価できるかなと思う

こうした中、石破首相は7月1日、コメの安定供給に向けた政府の会議で増産に向けた政策に舵を切るよう関係閣僚に指示。

石破首相:
消費者のみなさまが安定的にコメを買えるようにするとともに、意欲ある生産者のみなさまの所得が確保され、不安なく増産に取り組めるような新たなコメ政策へと転換する

しかし…

どんぐり農園・眞崎英彦さん:
政治の世界と農家の現場の世界に乖離は感じる

吉田町のコメ農家・眞崎英彦さん。

農薬を一切使わない栽培に取り組んでいて、オンラインでの販売も好調ですが、近年悩みの種となっているのが外来種の害虫。

駆除するための負担がのしかかり、コメづくりを辞めてしまう農家が少なくないといいます。

どんぐり農園・眞崎英彦さん:
個人的な感覚で言うと、スーパーで(備蓄米が)平均2000円で売られているのは少し厳しい。農家としておそらく経営が成り立たないだろうと思う。この価格を続けてしまうと破綻しかないという状況を理解してもらい、消費者・生産者がどの金額であれば折り合えるのか考えてほしい

このため、コメが注目が注目され、各党が参院選の公約に盛り込む今が中長期的な視点に立った政策を打ち出す最後のチャンスだと強調します。

どんぐり農園・眞崎英彦さん:
みなさんが日本の農業、日本のコメを食べていきたいのか、食べていきたくないのか、そこの選択だと思う。参院選の立候補者にも考えてほしいのは、日本の農業をこれから続けていくためにどうあるべきか。構造上の問題があるということを理解してやってほしい。そういったところの政策を皆さんに考えて発表してほしい

ここからは各候補のコメに関する主張を見ていきます。

国民民主党・榛葉賀津也 候補(58)は事実上の減反政策が原因で、需給調整による価格政策は限界とした上で、価格が下がっても農業を続けられるだけの所得を国が補償する食料安全保障基礎支払を創設すべきとしています。

無所属・村上猛 候補(74)は、政府の指導力の無さが令和の米騒動の原因と指摘し、流通の仕組みを見直す必要があると主張しています。

諸派・福原志瑠美 候補(42)は田んぼの細分化がコメ不足の原因として、農地集約とスマート農業で生産を安定させる改革が急務と訴えています。

参政党・松下友樹 候補(41)も事実上の減反政策が原因で、生産量はもっと高い水準で維持するべきと主張し、所得補償の充実など農政の抜本的な改革が必要としています。

共産党・鈴木千佳 候補(54)は政府の対応の遅れが令和の米騒動につながったと指摘し、減反を止めた上で価格保証や所得補償を実施するなど、農業を基幹産業に位置づけるべきと訴えています。

自民党・牧野京夫 候補(66)は減反政策や異常気象生産者の高齢化や後継者不足など、様々な要因が複合的に作業したためコメの価格が上昇したとの認識を示し、増産を促す政策と共に流通を簡素で効率的な構造に転換させる必要があるとしています。

諸派・山口香苗 候補(46)は日本のコメ文化を大事にしなかった結果と非難し、増反や農家への支援を早急に行うべきとの見解を示しています。

テレビ静岡
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