7月9日から始まった夏の高校野球県大会。4年前春の選抜に出場した柴田高校が10日に登場しました。大黒柱の阿部選手中心に、秋・春初戦敗退の悔しさをぶつけます。

初の夏の甲子園出場を目指す、柴田高校!このチームの中心は、3年生・阿部快選手。

最速147キロのストレートと鋭く曲がるスライダーなど、多彩な変化球を操る注目の右腕です。

阿部快選手
「ストレートは今ホップする真っすぐを目指してて、真っすぐは得意というか、自信があるところだと思います」

2年生のころから指導する安井大悟監督は、阿部投手の実力を高く評価しています。

安井監督
「強気でどんな場面でも自分の球信じて投げるっていうところ。やっぱ勝ちにこだわるっていうすごい強い心を持っているので、ほんとに勝負所での勝負球っていうのは、やはりここ最近ではないピッチャーかなと思います。」

阿部選手が自信を持つきっかけとなった試合があります。
2024年の夏の県大会準々決勝。相手は強豪・仙台育英。
阿部投手は4点を追う8回から登板し2回2奪三振。強力・育英打線を見事無失点に抑え込みました。

阿部快選手
「観客が育英ムードだったので、そういう中で自分のピッチングができたっていうのは、逆にそこが自分の中でもメンタルの強さだったなっていうのは思います」

しかし得たものは自信だけではありません。

阿部快選手
「態度に出してしまった部分が結構多かったので」

それは「エースとしての立ち居振る舞い」。味方のミスに対し精神的なブレを出してしまう場面もありました。

そんな阿部選手に対し、安井監督はー

安井監督
「自分がどういうピッチングをすれば、どういう表情で投げるか、どういう立ち姿でマウンドに立つかで、周りに対する影響ってすごくあるからっていうところを、もうほんと1日1日、時には厳しく指導することもありました」

チームの中心だからこそ態度や姿勢も一流に。安井監督の指導で少しずつ変化も訪れます。

阿部快選手
「チームはしっかり鼓舞できたらなっていうのは考えているので、安井先生の助言ももらいながら、自分の感覚で徐々に確立させていってるという感じです」

秋・春と県大会初戦負けを喫し悔しい思いをしてきた柴田高校。練習終わりのルーティンがあります。
それは勝ちをイメージするため、必ず校歌を歌うことです。

安井監督
「常にその勝った時のイメージを常に練習でやっております。自分たちが絶対に甲子園で校歌を歌うといったところが目標ですね」

阿部快選手
「秋春って初戦負けしてしまってて、最後の甲子園かかってる試合っていうのがやっぱ夏しかないので。甲子園目指して、とりあえず夏の大会勝ち進むっていうのが自分の中での目標です。」

そして10日、古川との初戦に臨んだ柴田。
注目の阿部選手はセンターでスタメン出場となりました。

試合は2回。柴田が2アウトからチャンスを作ると、1番・栗原選手が左中間へのタイムリーツーベース。柴田が先制に成功します。

それでも古川のエース・千葉光晟投手がその後は粘りを見せ、僅差のまま終盤戦へ突入します。


迎えた7回。逃げ切りを図る柴田はエース・阿部選手がマウンドへ。

阿部快選手
「自分の1球で流れが変わると思っていて、いいところに投げればチームの雰囲気も上がりますし。」

マウンドで意識したのはエースの役割。
磨き上げてきたストレートを軸に古川の反撃を許しません。

そして4点リードで迎えた最終回。2アウト1塁2塁のピンチにも動じませんでした。

エースが試合を締め、初戦突破を果たした柴田。
毎日グラウンドで歌ってきた校歌を、まずは夏の初戦で響かせました。

阿部快選手
「後半相手バッターもバットに当ててくると思っていたので、当てられても打ち取りやすい打球を打たせることを意識しました。自分たちの目標は甲子園で校歌を歌うことなので、宮城県大会をしっかり突破して甲子園に行きたいと思います」

仙台放送
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