7月10日開幕の「夏の高校野球・福島県大会」。4年連続の甲子園出場をかけて臨む聖光学院高校、チームをまとめるのは2人の主将だ。春の経験を経て、仲間との絆を強めた。
■チームの要 竹内啓汰主将
4年連続となる夏の甲子園出場を目指す聖光学院。2025年春のセンバツでは、12年ぶりのベスト8。2025年6月に行われた春の東北大会では、ベスト4まで勝ち上がった。
百戦錬磨のチームをまとめるのが、主将の竹内啓汰(たけうちけいた)選手。打線では4番を担い何度もチームを救ってきた。「負けたら全てが終わる夏の大会なので、正直なこと言うと、楽しみっていう気持ちは一ミリもない」と語る竹内選手。「絶対王者」の主将として誰よりも強い「責任感」を持つ。
■意識を変えた出来事
その心境に大きな変化をもたらしたのが、夏に向けた前哨戦・春の東北大会。オーダー表に“主将”として名前が書かれていたのは、竹内選手ではなく当時・副主将の仁平大智(にへいたいち)選手だった。理由は、リーダーを増やすこと。そして、竹内選手に客観的にチームを見ることで視野を広げてほしいという斎藤監督の思いがあった。
竹内選手は「自分がやらなくてはという思いになって、周りの選手を結局信じられずに、自分が全部やろうと思いすぎていた」と振り返る。
■気付いた頼もしい仲間の存在
チームから絶対的な信頼を寄せられているからこそ、一人で責任を背負いこんでいた竹内選手。主将から離れて気付いたのは、頼もしい仲間の存在だった。
副主将の仁平選手は「竹内が引っ張ってくれていることに自分たちが甘える、竹内に頼りすぎているというのは感じていた。竹内が一人で引っ張るチームではダメだと思うので、全員がキャプテンのつもりで引っ張っていけたら」と語る。
■信じあえる仲間と共に
そして春の東北大会後、竹内選手はもう一度主将に戻る意思を斎藤監督に伝えた。「自分の普段の生きる姿勢や戦いに挑む姿勢、自分の背中で語れるかっこいいキャプテンになりたいと思っている。“コイツなら”って思ってもらえるようなキャプテンでありたいなと思っています」と竹内選手は語った。
仲間を信じ支えあうチームへ成長遂げた聖光学院。見据えるのは、大会4連覇とその先…日本一長い夏にすることを誓った。