連日体に堪える暑さだが、熱中症の危険の危険は人間だけではない。大切な家族とも言えるペットも、熱中症のリスクを抱えている。
■愛犬の熱中症 4分の1が経験
日本気象協会の調査によると「愛犬が熱中症にかかったことがあるか」という質問に、約4分の1が「ある」と回答した。このうち44%が「日中散歩をしている時」、次いで29%が「室内で過ごしている時」となっている。外でも室内でも熱中症になってしまう可能性があることがわかる。
■熱中症対策 どうしてる?
福島市にあるドッグカフェを訪ねてみると、犬が遊んでいたのは屋外ではなく、冷房完備の「屋内」のドッグランだった。ここで、愛犬の熱中症対策について飼い主に話を聞いた。
・「エアコンはずっとつけっぱなし。こういった室内ドッグランを利用している」
・「コンクリートの照り返しがすごいと聞くので、暑い日中は外には出さないように気を付けています」
■動物病院 診察も増加
飼い主も対策に注意を払うペットの熱中症。福島県郡山市のエルダー動物病院では、この時期は熱中症の相談や診察が増えているという。
菊池将平院長は「間違いなく過酷だと思います。ワンちゃん達は汗をかけるのが鼻とか肉球とか一部に限られているので」という。汗をかいて体温を調整することができない犬や猫は、体内に熱がこもりやすいため、気温が高い日中の散歩を避けたり熱いアスファルトを歩かないなどの工夫が必要だ。
菊池院長は「気温が30度超えてくると、アスファルトの表面の温度は60度超えるところもある。ワンちゃん達背が低いので、かなり過酷な状態で散歩することになる」と注意を促す。
■命に関わるペット熱中症
また、自宅内でもエアコンをつけ、複数の場所に水を用意して水分補給を促すことも大切だ。
重症化すると、循環不全や多臓器不全などを引き起こし、命に関わる危険性もあるペットの熱中症。エルダー動物病院の菊池将平院長は「早い呼吸をしていないか、舌の粘膜が真っ赤になってないか、よだれや気持ち悪そうにしていないか、兆候を見逃さないことが重症化を防ぐカギとなる」とアドバイスする。
エルダー動物病院では、熱中症の心配があるときには気軽に相談してほしいと呼びかけている。
菊池院長によると、ペットが暑そうにしていたり、ぐったりしているなど異変を感じた際は、扇風機などを使い風を当てたり、水を少しずつ与えたりすると良いとのこと。人もペットも十分な暑さ対策が大切だ。