宮城県内7つの酒蔵が協力して造る日本酒、「DATE SEVEN(ダテセブン)」についてです。7月8日、日本酒ブームが続く韓国で、初めて試飲イベントが開かれました。日本の「伝統的酒造り」は、去年、ユネスコの無形文化遺産に登録され、改めて、その価値が見直されています。
8日夜、ソウル市内の日本料理店で開かれたのは、宮城県内の酒蔵と県のソウル事務所が企画した、「ダテセブン」の試飲イベントです。
韓国では初めて開催されたこのイベントですが、およそ7000円で販売された前売り券は完売!店内は“日本酒好き”の多くの人でにぎわいました。
記者リポート
「韓国では日本酒ブームによって、さまざまな銘柄の日本酒が飲まれるようになっています。そうした中、今回のイベントではダテセブンと7つの酒蔵が一堂に会し、宮城の酒の良さを前面にアピールしています」
会場には「ダテセブン」の製造に関わった7つの酒蔵の関係者も訪れ、その魅力を直接アピールしました。
韓国人
「伯楽星より、こちらのほうが甘みがある」
浦霞醸造元佐浦 佐浦弘一社長
「2種類の酵母を使って、華やかな香りが出るのとキレが出る、2種類を使っています」
韓国関税庁によりますと、去年の日本酒の輸入金額は、約33億円に上り過去最高を更新。韓国で日本酒は高級和食とともに味わう高級酒という印象が強く、特別感やぜいたく感が人気の理由ですが、消費拡大により日本酒のさまざまな味わいを理解し、楽しむ人たちも増えているそうです。
イベントに参加した客
「DATE SEVENは力が多いですよね。甘口もおいしい、辛口もおいしい、両方楽しめるのが魅力だと思います」
「どこの酒がどういう味かというのは分からなくて、ただの酒だと思って飲んでいましたけど、宮城県でこういう酒が出ていると、認識するようになり良かったです」
新澤醸造店 新澤巖夫社長
「DATE SEVENを通して、宮城の酒の質の高さを感じてもらいたい。メニューに全国の酒が並んでいる中で、宮城のメニューで止まって、それぞれのお酒を飲んでいただけたらと思います」
こうした中、宮城県内の酒蔵では、今、あるツアーが注目されています。
記者リポート
「米どころ大崎ではいま、日本酒造りの現場を生でみることができる“酒蔵ツアー”が人気を集めているんです」
大正7年創業の酒蔵、「寒梅酒造」です。日本の「伝統的な酒造り」が、去年、ユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、「酒蔵ツアー」の参加者は年々、増加傾向にあるといいます。
寒梅酒造 岩崎隆聡会長
「前年比でいえば、2割3割くらいは増えていると思います」
ツアーでは、洗米から麹づくりなど10の工程を、蔵元の説明を受けながら間近で見ることができます。
例えばこちら。酒造りの心臓部とも言われる「仕込み蔵」。白く濁った液体がぶくぶくと泡立っています。
寒梅酒造 岩崎隆聡会長
「もろみが少しずつ発酵してくると、このようになります」
もろみの発酵です。酒造りにとって最も重要な作業とも言われています。
そして、ツアーの最後はもちろん…。
寒梅酒造 岩崎隆聡会長
「蔵見学も終わりましたので、こちらで試飲していただきたいと思います。どうぞお座りになってください」
定番の大吟醸からフルーティーなリキュールまで、常時、およそ10種類の試飲が楽しめるということです。
寒梅酒造 岩崎隆聡会長
「人々の心を和ませる、料理に色をつけるものが日本酒。日本酒は日本の文化だと思いますから、日本酒離れ、アルコール離れが進んでいるが、絶やさないで飲んでほしい」
日本が世界に誇る「伝統的酒造り」。
宮城県内の酒蔵にとっても、今、販路拡大に向けた、大きなビジネスチャンスを迎えています。