長野県南木曽町で中学生1人が死亡した土石流災害から7月9日で11年です。現場の慰霊碑では、阿部守一知事や町の関係者が献花し、犠牲者を悼みました。現場近くの小学校では、災害から身を守るための防災学習も行われました。
午前10時前、南木曽町の「梨子沢」に建てられた慰霊碑の前で捧げられた黙とう。1人の尊い命が奪われた土石流災害から7月9日で11年です。
2014年7月9日の夕方に発生した土石流。大量の土砂や流木を巻き込みながら、沢沿いの住宅に流れ込みました。
住宅など40棟余りが被害に遭い、当時、中学1年生だった男子生徒が死亡しました。
原因となったのは、視界が真っ白になるほどの猛烈な雨で、発生までの1時間の解析雨量は97ミリに達していました。
「平成じゃぬけの碑」と刻まれた慰霊碑があるのは、亡くなった男子生徒の家があった場所です。
9日は、阿部知事と町の関係者などが献花し、犠牲者を悼みました。
阿部守一知事:
「亡くなられた方のご冥福を心から申し上げました。安全対策をハード面、ソフト面しっかり進めていきたいと改めて誓わせていただいた」
南木曽町・向井裕明町長:
「忘れることのないよう、町としましても7月9日の前後を防災週間として啓発活動を続けていく」
国交省の職員:
「(土石流は)崩れた土砂が雨と一緒になって谷を流れていく」
現場に近い南木曽小学校では、防災学習が行われ、国交省の職員が土石流発生のメカニズムなどについて説明しました。その後、高学年の児童は、ハザードマップを見ながら自分の家の周りの危険箇所や、避難経路などについて学びました。
児童:
「(黄色で塗ったのは)災害が発生する恐れがある場所。ここを危ないと知っていた方が、ここを早く通ろうと分かるから」
「(土石流は)怖いなと思った。避難場所を確認して、家族でどこに避難すればいいか考えて、ちゃんと対応できるようにしていくのが大切」
悲劇を繰り返さないための取り組みが続けられています。