滑走路が2本に増えた福岡空港での国際線の航空機事故を想定し、医療面の対応に重点を置いた訓練が9日、福岡市で行われ、参加者はけが人の救出や搬送などの手順を確認しました。
9日の訓練は、乗員・乗客合わせて305人のシンガポールからの航空機が着陸に失敗して一部が炎上し、多数の死傷者が出たとの想定で行われました。
医療面に重点が置かれた今回は、消防や医療機関など35の機関から約210人が参加し、乗客などに見立てた人形が使われました。
◆赤木アナウンサー
「救出した負傷者のけがの程度を見極め、その重症度に応じたタグを付けています」
「トリアージ」と呼ばれるこの行為は、多くの負傷者が発生している状況で治療の優先度を決めるために行われ、参加者は、タグを見ながら処置や搬送の順番を決定していました。
また、今回の訓練では初めて国際線の航空機を対象とすることで、大使館や領事館などとの調整も発生し、より正確な情報管理や判断が求められる訓練となりました。
◆福岡国際空港 保安防災部 小島宏文 部長
「万が一(事故が)起きてしまった場合の備えを、できるだけ万全な体制にするのが空港の務めと思っております。これからもしっかり訓練を通して実力を上げてまいりたい」
福岡空港では今年から増設された2本目の滑走路の供用が始まっていて、今後もこれまで以上に関係者と連携し、安全に利用してもらえるよう努めたいとしています。