参議院選挙について詳しくお伝えしていく「もっと投票の前に」。
8日は「ボートマッチ」についてお伝えします。
日本最大級の選挙・政治情報サイト「選挙ドットコム」とのコラボでお伝えしていきます。
「ボートマッチ」は「VOTE(投票)」と「MATCH(一致)」ということで、自分が考えていることと投票したい候補者の一致をさせるというもので、世界でも主流になっているそうです。日本においても、ここ数年、インターネット上で普及しているということです。
この「ボートマッチ」とはどういったものなのか見ていきます。
「選挙ドットコム」が実施している「投票マッチング」は、設問が20個あり、自分の考えに最も近い政党をマッチングするというもの。
スタートを押すと質問が出てきます。
「賛成」「やや賛成」「中立」「やや反対」「反対」の5つから選択し、質問に答えていきます。
質問が終わったあとに「自分が特に重要視しているものは何か」や「年代」などのアンケートを行ってマッチングを行っていくと、自分の考えに近い政党がパーセンテージで表示されるようになっているということです。
パソコンやスマートフォンで5分くらいでできます。
これは「選挙ドットコム」だけでなく、新聞各社も「ボートマッチ」を行っています。
背景としては、党が増えて公約・政策が分かりづらいこともあり、選挙ドットコムは2021年に始めたということです。
前回の衆院選では350万人ほどが使い、前回の参院選でも170万人が使ったということです。
ヨーロッパでは1980年代から行われていて、有権者の50%もオランダは使っていて、ドイツも25%。投票行動の大きな影響にもなるといわれているものなんです。
どうして自分に近い政党が出るのか、どういうデータなのか、「ボートマッチ」を行っている選挙ドットコムを取材し、鈴木邦和編集長に話を聞きました。
──投票マッチングはどうやって作っている?
選挙ドットコム・鈴木邦和編集長:
各政党に20問を政党の本部に質問させていただきます。参院選の前から質問を送って、それに対して政党から回答をいただいたデータを反映。そもそも20問という設問自体も、今回の国政政党プラス全国比例に候補者擁立している団体で全体で15~20くらいあり、それをきれいに判定するのに20問くらい必要。10問だとあまり差が出なくて正しいマッチング結果が出なくなってしまう。
──設問の順番や内容はどう変化をつけている?
選挙ドットコム・鈴木邦和編集長:
我々の方で全政党の公約を読んで、特に今回違いが出るもの、注目を集めているものをピックする。有権者の方に対して、毎月、世論調査をしているので、その中で関心の高い政策を聞いている。
すでに公開4日間で約51万人が利用しているそうです。
では20の設問をみていきます。
関心の高いものから非常に踏み込んだ政党の色が出やすい設問もあったりするということで、20の設問となっているそうです。
全部で15の政党と政治団体から回答を得ているということで、政党要件を満たす、満たさないではなく、かなり幅広でとっているそうです。
青井実キャスター:
山口さん、どうですか?この仕組み。
SPキャスター・山口真由氏:
私自身、支持政党と思っているところと全然違う政党が提示されたりして、固定概念を覆すという意味ではすごく面白いなと思ったんですけど。
青井実キャスター:
自分はこう思っていたけど実は違ったんだって。
SPキャスター・山口真由氏:
私、こことマッチングしているんだとか。
宮司愛海キャスター:
他に目を向けるきっかけにはなるかもしれないですね。
しかし、気になる部分もありました。
選挙ドットコム・鈴木邦和編集長:
自民党であれば「物価高対策として現金給付するのか」に対して「やや賛成」と、なぜこのスタンスなのか全部回答いただいている。
木村拓也キャスター:
自民は現金給付「やや賛成」なんですね。
選挙ドットコム・鈴木邦和編集長:
意外とそうなんです。ちょっとびっくりしました。
ではどうして「やや賛成」なのかというところを鈴木編集長に深掘りして聞いてみたところ、自民党に限らずですが、「各政党もボートマッチを意識して、有権者の回答が多そうな選択肢に少し寄せたような感触」ということでした。
給付1つとっても党内でもグラデーションがあるため、オフィシャルな回答にするときは「やや賛成」ということになるのかもしれません。
青井実キャスター:
山口さん、そこら辺も含めて参考にしながらという感じですね。
SPキャスター・山口真由氏:
ボートマッチだけを絶対的に信じちゃいけなくて、あくまでも出発点ということですね。
注意点もあります。
鈴木編集長によりますと、「掲げている政策も大事だが実行力があるか」「候補者がどんな人物でどんな思いを持っているか」もバランスよく見ていかなければならないということです。
木村拓也キャスター:
あくまでもこれは入り口として、出口もこれであってはならないということなので、様々な引き出しの中で、政策を見比べたうえで、“もっと投票の前に”考えていただけたらと思います。